紅葉の季節

2013年11月第1週

今週の野菜セット

左から

日中はおだやかな陽気でも、夕刻には冷えこむようになりました。ようやく紅葉にもスウィッチが入ったみたいです。

まず、南側にあるカエデとブルーベリーが赤くなり、日に日に紅を深めています。裏庭のトップを行くのはウルシで、これは見つけしだい根元から切っているのですが、ひっそりと増えていて、この時期になると鮮やかな真紅が自己主張をはじめます。紅葉が終わるころには切ってやろうと思うのですが、葉が落ちてしまったら目立たないのでそのままに・・・。そんなわけで増える一方なのですが、紅葉のうつくしさはぴかいち。

樹木の紅葉もさることながら、草むらの紅葉もきれいなんですよ。染色された雑草たちのグラデーションを見ていると、これがほんとうの草木染め。人の手が加わるとたとえ自然素材でも、ここまで繊細な色の濃淡や配色の冴えは望めないでしょう。ただ、その絶妙な色合いは一時的なもので、日が経つにつれ薄れてゆき、やがてただの枯れ草になってしまうという儚さと背中合わせなんですね。

紅葉の野原に立って、今このときだけの極彩色の織物を堪能していますが、これがなぜか夕日の中で見るのがいちばん。あっという間に暗幕が下りてきてしまうので、つかの間の贅沢ですが、権威で凝り固まった公募展よりはるかに豊穣な世界なんですよ。

畑仕事のほうは終盤にさしかかります。夏野菜のかたづけもようやく終わって、冬野菜の種蒔きも完了。あとは生育を待つばかりで、残すところは来春のあぶら菜と豆類の準備だけになりました。ニンニクもそろそろ種を埋める時期ですが、今年はまだ霜が降りないので様子見といったところ。

夏野菜といっしょにウドの大木もかたづけて、花の終わったコスモスや百日草を刈り取ってしまうと、庭も畑も急に広くなった感じがします。スズメバチもすっかりおとなしくなってしまって、バッタやコオロギの姿もまばらになりました。畑に平穏が訪れたと思いきや、林のほうからヒステリックなキーッという鳥の声。ヒヨドリの登場です。

この声を聞きながらかき菜の種を蒔いていると、まるでかれらの冬の食糧を用意してやっているかのよう・・・。ヒヨドリが増えてくる前に防鳥ネットを張る、というのが常識になりつつありますが、横着者のわたしはなんとかネットを張らずに済む方法はないかと、毎年思案しています。

去年はそんなことをしているうちに、野菜がほとんどやられてしまいましたが、防鳥ネットだのイノシシ除けの電柵だのって、美観の問題もありますが、それだけでなく、なんか環境そのものに切りつけているような無粋な感じがするんですね。そんな安直な方法ではなく、なんかもっと気の利いた方法はないかと思うのですが、短期間でどうこうできる問題ではないのかもしれません。

いざ食害がはじまったら、この冬は寒さが厳しいから、などといいわけしながら、ネットの代わりに寒冷紗を張り巡らせたりするのかも・・・。このいいかげんな性格だけは、一生治らないのかもしれませんね。

今週の野菜とレシピ

好子さんの青首大根が立派になってきました。これぐらいの大きさになればおでんをはじめ、煮ものならなんでもOK。あつあつの大根で身体をあたためてください。

ニンジンは青山さんが出す予定でしたが、好子さんが試しに作った黄色いニンジンのほうが先に大きくなったので、今回はこちらのほうが入ります。一見小ぶりの大根のようですが、味も香りもニンジンで、色合いから判断するとサラダ用みたいですが、煮るとほっくりしておいしいんだとか。あれこれ遊んでみてください。

赤かぶはサラダや酢のものにもできますが、漬け物にすると絶品です。かぶは半割りか四分の一にしてスライス、塩をふって重しを載せるだけ。それだけのことですが、漬け物の出来不出来を決定するのは重しです。塩加減などは二の次で、古新聞や古雑誌、鍋や一升瓶、大きめのペットボトルに水を入れたものなどで重しを強化してください。塩加減は神経質にならなくても、多すぎれば食べる直前に水洗いすればいいし、少ないようなら食べるときに醤油をたらせばいいだけのこと。3~4日して、乳酸菌発酵のにおいがしてきたら食べごろです。