春の嵐

2013年3月第1週

今週の野菜セット

左から

春一番が吹き荒れて、ようやく寒さもやわらいでました。今、二番目が荒れ狂っているところです。

裏山に入ると、先月の雪の重みで折れたり倒れたりした木に加え、強風にあおられて根っこごと持ちあげられた木が、今にも倒れそうになっています。あちこちで通路がふさがっていますから、携帯用のノコギリが必需品。舞上げられた落ち葉の下から、年代物のゴミが顔を出しているのもこの季節です。

庭先にもいろんなものが散らばっています。バケツに傘に、どこからか飛来したビニール袋のたぐい。そういうものを拾い集めていたら、足元の緑の中でムスカリがたくさん花をつけているのを見つけました。よく見たら、クリスマスローズの蕾もふくらみはじめています。花芽をつけた茎が伸びて、殺風景だった庭先が華やぐのももうすぐ。春は嵐の先にあるんですね。

先週、この欄で青山さんの帯状疱疹のことを書いたら、さっそく芦屋の井上さんから電話があって、お叱りを受けてしまいました。あんたらがついてて、なにやってんの。そんなもん、ビワ種飲んだらすぐに治るやないか・・・。さっそく「ビワ健」を青山さんにプレゼント。薬ぎらいの彼もこれは素直に飲んでくれたとみえ、週末にはふさがっていた右の目も開くようになり、痛みもかなり軽減されたようです。困っていることといえば痒みが出てきたことで、無意識に痒いところをさわってしまうと激痛が走るのだとか。でも、ずいぶんよくなったみたいです。

青山さんが野菜を納品に来ると、かならずといっていいぐらいお茶を飲みながら一時間ぐらい雑談をして行くので、忙しいときは迷惑なこともあったのですが、帯状疱疹が出てからというもの、納品したら回れ右で帰ってゆく・・・。なんかちょっと寂しい気分だったのですが、ビワ種を飲み始めたら三日も経たないうちにお茶の時間が復活。おかげさまでまた賑やかになりました。

「ビワ健」は井上さんがクローン病という難病に罹ったとき、みずから考案したものです。免疫力を高めれば自然治癒力も高まる、という信念があったから、東城百合子さんの自然療法を取り入れ、ビワの葉酒、ビワの葉温灸で治療するうちに、ビワ種の効用にも目をつけたのでした。でも、ビワ種はいつもフレッシュなものが入手できない上、保存がむずかしい。そこでひらめいたのがフリーズドライ製法で、それで一命を取りとめてから製品化したという経緯があります。

春の嵐とともにスギ花粉がどっと押し寄せるようになりましたが、「ビワ健」は花粉症にも効果があり、しかも即効性があります。茶さじ一杯で鼻水が止まり、目の痒みもとれます。一袋:2700円で花粉症シーズンが十分にカバーできますので、お悩みの方はご相談ください。

スギ花粉よりも厄介なのが中国大陸から押し寄せてくる黄砂。このあたりはほとんど影響がありませんが、北九州にいる友人は洗濯物も外に出せない日があるそうです。黄砂に混じって飛来する重金属や、極小微粒物質による健康被害も深刻になりつつあります。

迷惑な話ですが、よく考えてみたら日本だってすこし前までは公害大国だったわけで、あまり偉そうなことはいえません。今だって目には見えない放射性物質をまき散らしているんですからね。

慈草卵を提供してくれている卵明舎には常時、中国から研修に来ている若い人たちがいます。その人たちがいちばん感動するのが、日本の空の青さだそうで、あちらでは空が晴れていても灰色にかすんでいるのだとか。

高村光太郎夫人の智恵子が「東京には空がない」といってから半世紀以上が経ち、藤原新也が「チベットの空の青さを見て以来、日本の空に晴天があるとは思えなくなった」と書いて数十年。わたしは背後に宇宙を感じられるほどの青空を見たことはないのですが、頭上にある空がうつくしいとは感じられなくなっていたんですね。感覚が鈍磨しているところへ投げかけられた中国の少女たちの言葉は、日が経つにつれ重みを増してゆくようです。

経済発展が大気を汚し、その低迷が青空を取り戻させるのだとしたら、どちらを選んだほうが賢明か。彼女たちの「キレイ」「アオイ」という日本語を耳にして以来、晴天を見上げることが多くなったのでした。

今週の野菜とレシピ

今週も青ものが豊富です。間引き大根は湯がいて食べやすい大きさに切り、鰹節をまぶして醤油をかけると、おひたしのような漬けもののような、真冬の青菜とはちがったおいしさがあります。

ミニ大根の葉も細かくきざんで、さっと湯がいてから塩をします。ぎゅっと絞って水気を切って、ちりめんじゃこ、煎り胡麻といっしょにご飯に混ぜてみてください。菜飯を食べると、身体の中から春になった感じがします。

牛蒡は皮を傷つけないようによく洗い、5センチぐらいに切ってから細いものは半割に、太いところは半割にしてから何等分かして、それを3~4分湯がいてください。それを酢:1、醤油:5、砂糖少々の中に鷹の爪といっしょに漬けこみます。翌日から食べられて日持ちもするので、作り置きしておくと便利です。

山東菜は色が淡く、やわらかく、クセもないのでサラダに最適。ミニ大根も千切りにして納豆ともみ海苔をのせ、サラダ感覚でお召しあがりください。

あぶら菜はほかの野菜よりセシウムを吸収しやすい性質があり、心配している方もいらっしゃるかもしれませんので、放射線の測定結果を添付しました。安心してお召しあがりください。