多雨の夏

2013年7月第5週

今週の野菜セット

左から

蒸し暑い日が続きます。気温はそれほど高くなくても、湿度が高いと暑さが倍増されるよう・・・。まるで風呂場にいるかのようで、風呂場は癒やしの場ではあっても、生活の場ではありませんものね。じっとしていても体力が消耗されていくようです。

こういう蒸し暑さで元気づくのは虫たちで、とくに朝夕、蚊やブヨがどっと増えます。畑ではバッタやキリギリスが跳び交い、それを狙ってカエルも跳び交い、さらにそれを狙うヘビたちもこの暑さで動きが敏捷になってきて、もうわたしに尻尾を踏まれるようなドジなのはいなくなりました。

うっとうしい虫たちに混じって、今では稀少になった黒アゲハや玉虫に遭遇できるのもうだるような暑さの中。暑さを忘れる一瞬ですが、薪小屋の中で羽化したおびただしい蝉の抜け殻を見ると、とたんに暑さがもどってきます。これも、もうしばらくの辛抱だといいですね。

遅れて営巣したツバメの巣でも、ようやく雛が孵ったようです。ガレージに車を入れてしまうと、それを足場に猫どもがちょっかいを出しそうなので、ちょっと不便ではあるのですが、親鳥がせっせと餌を運ぶ様子を見ていると、そんなことはどうでもよくなってきます。

もっと困るのは郵便受けが使えなくなることで、わが家の周辺では五月になると軒並み、臨時の郵便受けが用意されることになります。シジュウカラが好んでそこに営巣するからですが、さいわいわが家の郵便受けには、小鳥が出入りできるような隙間がないので、そういう不便さとは無縁です。車は雨に濡れてもかまいませんが、新聞や郵便物となるとそうは行きませんものね。

七月も終わりになるとシジュウカラも巣立ち、郵便受けが本来のはたらきをするようになるのですが、中には不幸な巣もあって、親鳥が出入りするはずのところから、ヘビが顔を覗かせていたりするそうです。ま、これも自然界の姿でしょうから、しかたがないのかもしれませんね。郵便受けが持ち主のもとにもどってくると、ほっとする反面、一抹のさびしさもあるというから面白いものです。

週末の雷雨は隅田川の花火を中断させましたが、こちらでも予定されていた花火大会はすべて中止。夏祭りも土砂降りの中で行われたようです。

真岡では、夏祭りに先立って、山車に川渡りをさせる神事があるのですが、ふだんはほとんど水のない川に上流で降った雨がどっと押し寄せ、山車もろとも人が流されるというハプニングがあったそうです。百メートルちかく流された先で、全員無事に救出されたそうですが、大事に至らなかったのがさいわいでした。夏祭りはじまって以来の珍事だったといいますから、関係者は冷や汗ものだったでしょうね。

今年は各地で、××はじまって以来の大雨というのが多発しています。このあたりでも、例年なら雨不足に悩まされているはずが、逆に多雨がネックになっているようです。旱魃を予想して畝を低くしていたところでは、野菜が根腐れを起こし、病気も多発しているんだとか・・・。

これだけ雨が降っているのに、肝心の水源地が枯渇したままというのも困ったもので、このあたりでも十パーセントの取水制限がはじまった模様です。雨雨坊主はわたしたちではなく、水源地の人々に作ってもらうべきだったのかもしれませんね。

今週の野菜とレシピ

今週は好子さんのとうもろこしが入りますが、今年はカメムシが大発生しているうえ、アワノメイガの幼虫にも入られたので、とても商品にはできそうもないという相談を受けました。見本に何本かもらったのを試食したところ、たしかにきれいなトウモロコシではありませんが、味は他所のものとくらべて格段によかったのです。

そんなわけで、一応おことわりした上で送らせていただくことになりました。トウモロコシは枝豆同様、鮮度が命ですから、できるだけその日のうちにお召しあがりください。

到着した日にどうしても都合がつかなかったり、トウモロコシの虫食いがひどいときには、包丁で実を削り取ってお使いください。夏休みの子供のおやつには、削り取った実に水少々と小麦粉を加えててんぷらに・・・。かろうじて実が離れない程度の衣にすると、仕上がりがべとつきません。熱いうちに塩をぱらぱらとふって、冷ましてからどうぞ。

さもなければトウモロコシご飯。わが家ではひと夏に一度はかならず作ります。3本分のトウモロコシに対して、白米は2合強。ふつうにご飯を炊く水加減で、塩:小さじ2杯強を加え、トウモロコシもいっしょに炊きます。甘みがあるので、豆ご飯より人気があるんですよ。

ただし、これは傷みやすいので、残ったご飯はお握りにして冷蔵するのをお忘れなく。翌日、それを焼きお握りにして、仕上げに醤油をからめると焼きトウモロコシさながらの味と香りが楽しめます。

ゴーヤが参入してくると、いよいよ夏もたけなわという感じになります。初物はチャンプルーにしてどうぞ。最近ではこんな田舎でも島豆腐が入手できるようになったので助かっています。