スズメバチと遭遇する季節

2013年10月第2週

今週の野菜セット

左から

先週、とっくにいなくなったはずのセミが復活する場面もありましたが、週末には肌寒い陽気になりました。今週も寒暖の差がはげしくなりそうです。ただでさえ夏の疲れが出てくるころですから、体調を崩さないようにしてくださいね。

でも、季節は着実に進行しているようで、夕方の散歩から帰ってくると、パンツの裾やら袖口に草の種がついています。草むらを走りまわってきた犬の体にもいっぱい。イノコズチのような細かいものはブラシをかけると落ちますが、フジバカマという萩に似た可憐な花。これが三角形の実になると、ちっとやそっとでは取れないのです。夕飯の後、まるで内職みたいにそれをひとつずつ取りながら、秋を実感しているしだいです。

ときどき暑さがぶり返すので、なかなか冬支度という気分にはなれませんが、夜間はけっこう冷えこみます。葦簀を外し、ひと夏お世話になった扇風機をかたづけますが、畑の冬支度は順調でも、家の中のことは遅遅として進みません。衣替えももうすこし先になりそうですしね。

夏の間、あちこちに張り巡らされた蜘蛛の巣も、今年はまだ住人がいるようです。今ごろ、新たな巣が増えたりしているぐらいですから、これもなかなかかたづけられません。店子たちがさっさと卵を産みつけるのを待つばかり。それは毎年、巣もろとも物置小屋のほうに放りこんでおくのですが、どういうわけか小屋のほうはさほどでもなく、家の中にばかり集まってくるようです。

家の中などより、開けっ放しの小屋のほうが餌に不自由しないはずなのに、どうしてなんでしょうね。蜘蛛は人が好きなんでしょうか。すくなくとも人の暮らしには興味があるようで、食卓に料理が並ぶと、かならずツーッと糸を引きながら降りてきて、点検が終わるとまたツーッと照明器具のあたりにもどって行くヤツがいます。

これも毎日のこととなると、いなくなったときには妙にさびしいもの。日によってはまだ蚊の羽音が聞こえてくるぐらいですから、蜘蛛もなかなか退場できないのかもしれません。

スズメバチの気が立ってくる季節でもあります。でも、今まで何事も亡くこの時期を通り過ぎてきたので、とくに注意をしたことはないのですが、日曜日、先週に引き続きモミガラ燻炭を作っている最中に、総攻撃を受けました。

物置の入り口近くにスズメバチの巣があるなんて、知らなかったのです。そこには鶏糞やら資材に加えて、モミガラの袋が山積みになっているので、しょっちゅう出入りしています。でも、スズメバチに威嚇されたこともないし、羽音すら聞いたことがなかったのです。だから頭の上にそんなものがあるなんて、考えてもみなかったんですね。

モミガラを運び出して、建てつけのわるいドアを閉めるとき、イラッとしてドアを蹴飛ばしていたら、いきなり頭上から石つぶてのようなものがバラバラと落ちてきて、同時に首のつけ根のあたりにチクン、脚にもチクンと痛みが走りました。なにが起こっているのかわからないまま、急いでそこから離れましたが、家に入って調べてみると、肩のあたりを二カ所、ふくらはぎも二カ所、それに腕を一カ所挿されていました。

すぐにHB101を塗布しましたが、アシナガバチの場合のように瞬時に痛みが消えるわけではありません。やっぱりスズメバチは毒性が強いのかな、と思い、犬猫のワクチン用の注射ポンプを刺し口にあてがって吸引。それでも痛みは引きませんが、どちらかというと鈍痛にちかいもので、アシナガバチにやられたときのほうがはるかに痛かったかもしれません。

ついでに腹ごしらえをして、ふたたび畑に出ましたが、あらためて物置のドアの付近を見てみると、庇の下にやかんをひとまわり大きくしたぐらいの巣がありました。わたしがドアなんか蹴ったので、デリカシーのないババアだと思われたんでしょうね。お恥ずかしいかぎりです。

夕刻、巣のそばを通るとき、何度も謝りましたが、まだ怒っているらしく、数匹が体当たりをしてきました。が、もう刺されることはありません。スズメバチに刺されたことのある人に聞くと、痛くてひと晩中まんじりともできなかったという話でしたが、夜中に目が覚めたのはあまりの痒さのせい。痒みが出てくるのは治りかけている証拠ですから、スズメバチも手加減をしてくれたのかもしれません。

今回、はじめて刺されましたが、やっぱりスズメバチっていいヤツだなあ、と思いました。来年もまた、来てほしいものです。

今週の野菜とレシピ

今週は青ものが豊富です。小松菜春菊ほうれん草と秋冬の青菜が勢揃いしました。

大根も入りますが、まだ小ぶり。おつゆの実にするか、きんぴらでお召しあがりください。大根と里芋だけの筑前煮もおいしいですよ。半月もすれば立派に育って、煮物が楽しめると思います。

来週は馬田さんのシルク椎茸が復活します。地震の後、崩壊寸前だった建物を新築し、設備もすべて入れ替えての再出発です。一時は廃業も考えたといいますから、よくぞやってくれましたという感じ。ひさびさの椎茸を楽しみにしたいものです。