寒い春

2013年4月第4週

今週の野菜セット

左から

初夏と真冬が交互にやって来る、不思議な春です。あちこちで地震も多発しているようですし、ざわざわと落ち着かない春でもあります。

それでも田圃には水が入りはじめました。それと同時にカエルの声も賑やかになるはずなのに、今年はしんとしています。寒すぎて、ラブコールどころではないんでしょうね。田圃の縁の乾いたところに潜りこんで、二度寝でもしているのかもしれません。

当然、この寒さではヘビも動けない。人だけが例年通り、畑を耕したり種を蒔いたりしているのですが、こんな気候ではどうなりますか。いや、人だけではありません。カラスもせっせと枯れ草を集めていますから、もう巣作りがはじまっているんでしょう。ということはトンビもキジもスズメもみんな、おなじ動きをしているはず。米も野菜も、鳥のヒナたちも、無事に育ってほしいものです。

この時期ちょっと面倒なのは、山歩きをするとき、犬にリードをつけなくはならないこと。キジやコジュケイは樹上ではなく、地面に巣を作るからです。犬の散歩にリードは当たり前といわれそうですが、うちの犬はふだんから敷地の外には出て行かないし、散歩中も勝手な動きはしないので、リードとは無縁の暮らしをしているのですが、野ウサギや鳥の気配を感じると狩猟本能に目覚めるんでしょう、制御が効かなくなるんですね。

キジを蹴散らして、巣の中から卵を持ち出して来たこともありますし、野ウサギを仕留めてしまったこともあります。一度など、タヌキを追い詰めて失神させてしまったこともあり、死んでしまったのかと思って抱き上げたら、息を吹きかえして勢いよく飛び出して行きました。タヌキは気が小さいらしく、ショックを受けると気を失ってしまうんですね。そんなところからタヌキ寝入りという言葉が生まれたそうですが、ほんもののそれに遭遇したというわけです。

イノシシを追い詰めてしまったこともあり、そういうときはポインターさながら、片方の前足を折って獲物の在処を教えてくれるのですが、わたしは猟師ではないのでお手上げ。そそくさと逃げ出すのですが、一度、逆襲に遭って危ない目を見てからは、イノシシは無視してくれるようになりました。裏山に入っていちいちイノシシに反応していたのでは、散歩にはならないくらい生息数が多くなっていますからね。当然、畑にも出てくるわけで、夜中にいきなりベッドの足元から起き出して、吠えながら飛び出して行くときがそうで、これには感謝しています。

ともあれこれから数ヶ月、キジやコジュケイのヒナが巣立つまでは、飼い主も犬も不自由な思いをすることになりますが、これもしかたがありませんよね。ほんとうはこんな時期でなくても、山の中に犬を連れこむのは自然に反することなのでしょうが、そんなこといったら人間こそ立ち入り禁止にすべきでしょう。不埒な人間の落として行ったゴミを拾うことで、プラスマイナスゼロということにしてもらっています。

不埒といえば、今週末の日曜日が「主権回復の日」になるんですってね。おいおい、それより地位協定の見直しのほうが先だろう、と思っている人も多いのでは・・・。沖縄ではこの日を「屈辱の日」と呼んでいるそうですが、その屈辱を本土にも実感させようという目論見があるのだとしたら、今度の首相はなかなかのやり手なのかもしれません。

でも、やっていることといったら、この国の植民地化を推し進めようとしているみたいで、見せかけの景気対策といい、わけのわからんオッサンで、きな臭いこともお好きなようです。うちにはテレビがないので、ニュースはラジオで聞いているのですが、あのオッサンの声が聞こえてくると、老母がさっと立ちあがって音量を下げに行く。膝がわるく、年々動きが緩慢になる母がああも機敏に動くのですから、個人的には感謝すべきなのかもしれません。

でも、それとこれとは別ですから、日曜日には墨染めの半旗でも揚げて意思表示をしたいものです。山の中でそんなことをしても、あまり意味がなさそうなので、都市部にお住まいの方はぜひ・・・。所詮、ごまめの歯ぎしりなんでしょうけどね。

今週の野菜とレシピ

今週はタケノコが入ります。鍋に入る大きさにカットして、添付の糠と唐辛子といっしょに湯がき、そのまま冷まして水を替えてください。毎日水を替えていると、冷蔵庫に入れなくても数日は大丈夫です。

先のほうのやわらかいところは若竹汁。残ったところは煮物か、タケノコご飯でお楽しみください。

山ウドは皮を剥いて味噌をつけて食べると、てんぷらにするよりも甘みも香りも強くなります。小がぶもいっしょに、皮つきのまま、味噌をつけて生食するとおいしいですよ。

ウドの皮と残った部分はきんぴらに、かぶの葉は味噌汁やスープにしてお召しあがりください。