厳冬の野菜たち

2014年1月第3週

今週の野菜セット

左から

先週、夕方のまだ明るい時間帯に野菜を取ろうとしたら、キャベツも地面も凍っていたという話をしましたが、それではというわけでにまだ日の高いうちに試みたのですが、それでもやっぱり凍っていました。野菜が大きくなれないわけです。

ネギもしかりで、夕飯の支度をしながら、あ、ネギがないといって、慌てて取りに行くこともこの冬はできません。野菜が高騰するのもしかたないのかも。

ビニールハウスの中といえども、状況は似たり寄ったりだそうで、重油を焚いているところでもないかぎり、やっぱり野菜は凍るといいます。

それでもまあ、雪に閉ざされる北国の農地にくらべたら、青いものがあるだけいいのかもしれません。今年もあちこちから大雪の便りが寄せられています。雪かきのご苦労もさることながら、布団や洗濯物を日にあてることもできない不自由さを思うと頭が下がります。

しかし、どんなに寒いときでも、山の中に入ると空気がぬるみ、歩いているうちに汗ばんでくるぐらいです。そういうところに種を蒔いておけば、あちらに白菜、こちらにキャベツといった具合に、すこしずつではありますが立派な野菜が育つのではないだろうか。ただし地中には木の根が張り巡らされているので、根菜類はむずかしいでしょうが、地上には腐葉土があるので施肥が不要なら、草取りの必要もありません。

ただ、雑草も生えないようところで、野菜の種が発芽できるかどうか、不安要素はありますが、一度試してみる価値はありそうです。ま、成功したところで効率的ではありませんから、農家にはおすすめできませんが・・・。でも、林の中にぽつりぽつりと野菜が顔を出しているのって、わくわくするような光景でしょう?今年の秋には、うちの脇の雑木林でキャベツとブロッコリーの苗でも育ててみるとにしましょうか。

うまくいったらお慰み。これもそういう感じで、秋の終わりにモミガラを炭にして、寒さに弱そうな野菜のところに鋤きこんでおきましたが、今のところは順調です。十センチほどに育ったソラマメが、去年はほとんど枯れてしまいましたが、今年は青々としています。今年の秋口には畑全体に広げられるよう、燻炭作りに精を出すつもり。こちらのほうが雑木林を畑にするよりはるかに効率的ですしね。

とはいっても、雑木林農法にも捨てがたいものがあって、農業としては成り立たなくても、家庭菜園的な楽しみがあります。なんでも思いついたことはやってみる。これも老化を防止するひとつの手かもしれませんしね。

日曜日には益子町全域で柴焼きがありました。これには全町民が参加することになっています。消防車が巡回する中、町中がもうもうと白煙を上げるのですから、外からやって来た車が立ち往生することもめずらしくありません。

益子に専業農家が何軒ぐらいあるのかはわかりませんが、これはその昔、この町が農業で成り立っていた名残のようなもので、田畑や道ばたの枯れ草に混じって冬眠しているカメムシや、虫の卵、草の種を処分するのが目的です。しかし、その卵の中にはカマキリのものもけっこう含まれていて、そんなものまで焼いてしまったら、逆効果になるんじゃないか。心配だったので、カマキリの卵を見つけたら、ポケットに入れて持ち帰っていましたが、去年、黒焦げになったものを発見。持ち帰って物置の中に入れておいたところ、なんと、そんな卵からもちゃんと小さなカマキリがぞろぞろと出てきたのです。

カマキリの卵の位置でその冬の積雪量がわかる、といわれていますが、地面すれすれのところに産みつけているのもあれば、地上から一メートル近いものまでさまざまで、あまりアテにはなりません。むしろ、卵が雪に埋まってしまったほうが、強風に遭うことがないという見方もあります。それは卵を数ヶ月、氷水のなかに浸けておいても、なんの問題もなかったからで、防寒・防湿に優れていることがわかったからです。

それに加えて、高熱にも強いことがわかったのですから、宇宙服にも勝りそうです。自然界の営みというのはすごいですね。これだけ科学が進歩しても、まだわたしたちは蜘蛛の糸より強い繊維を作り出すこともできないでいる。人間は虫と闘ってはいけない。むしろ共存の道をさぐるべきだと思ったものです。

ちなみに日曜日の柴焼きは空気が乾燥しているうえに風も強く、気持ちがいいぐらいよく燃えてくれましたが、終わりにさしかかるころ、強風のため中止になっていたこといがわかりました。こんなに風があるのに、消防車が巡回していないのが不思議なあ、とは思っていたんですけどね。ま、大事に至らなかったのがさいわいでした。

今週の野菜とレシピ

今週は好子さんの大根かぶが入りますが、どちらも小ぶりです。とくに大根はミニ大根となっていますが、これも青首大根です。毎年、彼女の大根が年内で修了してしまうので、今回はハウスで年明け用のを作ってくれたのですが、寒さで生育できなかったみたいです。

ハウスの大根がこれですから、露地のほうれん草はこの寒波が去らないかぎり、大きくなれないでしょうね。

エシャロットは生のまま、味噌にマヨネーズを加えたもので食べるか、薬味としてお使いください。てんぷらにしても甘くておいしいですよ。

予定では、来週から馬田さんの椎茸が再登場することになっていますが、この寒さのせいでそれもわかりません。そのときは大貫さんのしめじで代用させていただきますので、よろしくお願いします。

餅販売のお知らせ

年が明けても、こちらでは餅つきをしています。慈草卵を提供してくれている卵明舎で販売してもらっていますが、ご希望があれば3月末までご注文を承っています。