梅雨明け

2014年7月第4週

今週の野菜セット

左から

先週後半、梅雨寒がもどって来ましたが、そろそろ明けて暑くなりそうです。

昔、庭仕事が好きだった祖父から、こんな話を聞いたことがあります。タチアオイの花が咲きはじめたら梅雨になる。下から順に咲いていって、てっぺんまで来たら梅雨が明けるというのですが、今年はほんとうにその通りになりました。毎年、道路脇のタチアオイの花を眺めていましたが、いつも裏切られていただけに、今年は思わずおじいちゃん、ありがとうと声に出してしまいました。おじいちゃんが雨を降らせたわけではないんですけど・・・。

ここ数年、空梅雨が続いていただけに、今回の長い雨期はありがたかったのですが、中には多雨に弱い植物もあるんですね。知人がジェノヴァーゼというペーストを作るので、毎年、かなり大量のバジルを育てていたのですが、今年はそれがほぼ全滅。雨の中で枯れて行く植物というのを、はじめて見ました。

それ以外は紫蘇もミョウガもいたって元気。小さいまま、なかなか大きくなれなかったルバーブなど、びっくりするような大株に育っています。野菜たちも概ね元気で、雨が苦手なはずのトマトも次から次と小さな実を赤くしています。

セミもすこし前から鳴きはじめました。鳴く、というのは正確な表現ではありませんが、一番手のニイニイゼミがジージーと夏の到来を告げ、夕刻になるとヒグラシのカナカナカナが林のほうから押し寄せてきます。今週あたり、もうすこし華やかというか、騒々しいミンミンゼミが加わって、夏も本番という感じになりそうな気配。こちらが暑さにげんなりしはじめたころ、アブラゼミが参入して暑苦しさを倍増するんですよね。

カマキリの子供たちがマッチ棒ぐらいの大きさに成長しています。がんばれよ、鳥に食われるなよ、と小さな戦士たちに声をかけてやりたくなりますが、反対にいまいましいのは、畑を歩くと畝間からわらわらと出てきて逃げまどうコオロギやらおんぶバッタ。どちらもまだ一センチにも満たない幼生ですが、すばしっこくて捕まえることもできません。

バジルが全滅したので、おんぶバッタは目下、青紫蘇を穴だらけにしている模様。コオロギのほうはつるむらさきに集中しているみたいですね。つるむらさきはあまり人気がないので、野菜セットのメニューから姿を消してしまいましたが、お好きな方は申し出てくだされば喜んで差し上げます。わたしはモロヘイアよりこっちのほうがおいしいと思うんですけどね。

もてもてハーブのデイルも梅雨時に黄色い花を咲かせますが、これがもてもてハーブと呼ばれる所以は(わたしが勝手に呼んでいるだけですけど)、春先に芽を出したころは黄アゲハの幼虫の餌になり、花がかたい種になるころにはカメムシのたまり場になる。つまり虫たちの人気者で、かれらをを一手に引き受けてくれるんですね。デイルそのものはあまり必要がないのですが、畑の一角に繁茂させているのはそのためで、毎年勝手に出てくるので手がかからないのも魅力です。

おんぶバッタを引き受けてくれるハーブがないものか、目下、模索中。コオロギは米ヌカが大好物なので、ときどき畝間にばらまいてやると作物には手を出しません。家庭菜園でお困りの方はお役立てください。虫だって、追われるばかりじゃかわいそうですからね。

今週の野菜とレシピ

今週は好子さんのとうもろこしが入ります。とうもろこしは湯がいただけでおやつになりますが、子供たちが子供だったころ、夏休みにはよくこれをてんぷらにしたものです。とうもろこしご飯のときとおなじように、大きめのボウルを用意して包丁で実を削り落とし、そこに水少々と小麦粉を加えて、つぶつぶがかろうじて繋がるぐらいにします。つなぎが多すぎるとぼってりした仕上がりになるので要注意。

スプーンで熱した油の中に落とし、揚げたてのところにぱらぱらと塩をふったらできあがり。手で持てるぐらいに冷ましてからどうぞ。市販のスナック菓子よりはるかにおいしく、大人の評判も二重丸。カラスもこれが大好きなので、できそこないのとうもろこしで作ってやると、次の年から畑のとうもろこしにいたずらをしなくなるんですよ。

ちいさなかぼちゃも出てきました。残念ながらプチトマトのほうは、それほど大量には採れないそうで、足りないところはピーマンオクラで補わせていただきますのでご容赦ください。