猛暑つづき

2014年8月第1週

今週の野菜セット

左から

暑い毎日。セミの羽音がそれを増幅させているようです。夕刻、ヒグラシのカナカナカナ・・・が聞こえてくると、ほっとしながら畑に出ますが、地面には昼間の暑さが蓄積されて、まるで砂風呂のよう。そんなところに次から次と顔を出す雑草は、逞しいという範疇を超えて、まるで地球外生命体のようです。

野菜もしかり。炎天下で、しかも灼けるように熱い土の中から養分やら水分を吸い上げて、みずみずしい果実を次から次とふくらませているのですから、植物というのはすごいなあ、と毎年のこととはいえ感心することしきり。

中でもズッキーニのように葉っぱの大きいものは、まるで砂漠にオアシスを作るかのごとく根元をしっとり湿らせて、そこだけ土が黒々としています。梅雨明け以来、ほとんど雨らしい雨が降っていないにもかかわらず。ですからねえ。わたしたちはすごいものを食べているみたいです。

涼しい木陰を作ってくれるのも植物たち。裏山に入ると、日中でも確実に気温が数度下がりますが、てっぺんは灼けるように熱いはず。いくら葉面から水分を蒸発させているとはいえ、よく耐えていられるものだと思います。

こちらはその恩恵に浴しているだけ。それでも上り坂にさしかかると、もう汗まみれで息も絶え絶えですからね。一刻も早く谷底に下りて、涼を取りたくなりますが、帰り道の上り坂のことを考えるとそれも億劫、でも、犬にも水を飲ませてやりたいし・・・なんて逡巡しているところで、イノシシの一家に遭遇しました。成獣一頭に、うり坊ではありませんが、まだ若そうなのが三頭。藪から出て来たところでこちらに気づき、さあ困ったという顔になっています。

すぐさま、追うんじゃないよ、と犬を制して相手の出方を見ていたら、向こうもこちらの動向を見定めていたんでしょうね。やがて踵を返して、出て来た藪の中にもどって行きましたけど、白昼のこと。夕刻ならそれほど珍しいことではないのですが、こんな時間帯にもイノシシが出歩くようでは、山の中も物騒になったものだと思いました。

もっとも夕刻には、車の通り道にも現れるぐらいだから、イノシシに神経を尖らせていたのでは山間で暮らすことなどできないんですけどね。こちらがぎょっとする以上に、イノシシのほうでも人を警戒しているようなので、ばったり遭遇したところで危険なわけではありません。ただ、犬が追いかけたりすると、思わぬ反撃に遭ったりするので、それが心配だったわけです。

でも、今回の遭遇では犬が自制してくれた。うちの犬はいつもわたしとつかず離れずの距離にいてくれるので、散歩にもリードをつけていないことが多いのです。人通りのあるところでは、中には犬の嫌いな人もいるので、リードをつけることもありますが、基本的にはリード無し。そんなわけで山の中では、ときにイノシシや野ウサギを追いかけて姿を消すことになる。たいてい手ぶらで帰ってきますが、一度イノシシを深追いして危ない目に遭ってことがあり、それで学習したんでしょうね。それとも暑くて、とてもそんな気になれなかったのかもしれませんが・・・。

ま、この暑さの中で元気があるのは、ヘビやトカゲといった変温動物と植物だけ。わたしたち常温動物にとってはつらい季節で、身体の中でなにかを燃やして体温を維持しなければならないというシステムは、すくなくとも夏向きではないようです。

にもかかわらず、一年中でいちばん身体を冷やしやすいのがこの季節というから皮肉なものです。夏はシャワーだけで済ます人も多いようですが、夏こそ熱めのお風呂で半身浴。たっぷり汗をかいて出て来ると、ひと休みしているうちに体温が下がってきて、寝つきもよくなるみたいです。

今週の野菜とレシピ

今週のセットは盛りだくさん。夏野菜も今が盛りで、今週はゴーヤがそれに加わりました。最近ではこんな田舎のスーパーでも、沖縄の島豆腐が売られるようにあり、おいしいチャンプルーが食べられるようになりました。

苦みがどうも、という方やお子様向きには、輪切りにして中の種を抜き、小麦粉、溶き卵、パン粉の順に衣をつけて揚げてみてください。マヨネーズに甘酢に漬けたラッキョウを刻みこんだソースがよく合います。らっきょうがなければ、玉葱のみじん切りで代用してくださいね。

青山さんのとうもろこし。これは予算からはみ出してしまうので、今回はおまけです。大盤振る舞いですが、とうもろこしのほうは小ぶり。湯がいておやつにどしてください。