ひな祭り

2014年3月第1週

今週の野菜セット

左から

つかの間の春の陽気も、週末からまた寒さがぶり返しました。三寒四温というけれど、今のところはまだ四寒三温といったところでしょうか。

春はまるでちらりちらりと思わせぶりな秋波を送ってくるくせに、近づこうとすると逃げて行く悪女のよう・・・。魅力的であればあるだけ、気まぐれが許されるのを知っているかのようです。もっともその悪女も、時が経てばすぐに暑苦しい存在になってしまうんですけどね。

この冬は薪の消費が例年より多かったみたいで、当分は残りすくなくなった薪とにらめっこをしながらの日々が続きそうです。

それでも戸外では梅の蕾がほころびはじめ、庭先ではいつの間にかムスカリが花をつけています。

面白いのは、うちの母が梅の開花を待ちかねて、庭先から枝を数本、室内に持ちこんでいたのですが、あたたかい室内でも戸外でも開花がほとんど同時だったこと。気温以外の要素がからんでいるのかもしれません。

本体から切り離されたものは、あたたかいところに置かれたところで、体力が落ちているので開花が遅れてしまうのか、それとも切り離されてもなお本体とは繋がっているから連動するのか。いずれにせよ、この方法にあまり意味がないのは、わたしが年明けに持ちこんだ桃の枝が、ひな祭りを目前にしてもさっぱり開花する気配がないことからも明らかです。

残念な結果でしたが、たとえ切り離されても、枝先が本体と連動しているんだとしたら、植物の不思議な能力がまたひとつ明らかになったわけで、なんか得をした気分。桃の花がなくても、お人形とちらし寿司があればひな祭りはサマになりますものね。花より団子です。

ひな祭りが終わると啓蟄も間近で、今週の木曜あたりがそれに当たります。ちょうどこのあたりが地球の波動がもっとも強くなる時期なので、地中には低周波が響き渡り、冬眠中のものはおちおち寝ていられなくなる、というのが真相のようで、なあんだ虫たちにも目覚まし時計があったのかと驚いたり、安心したり・・・。

でも、わたしたちとおなじように、虫たちも低周波のベルで飛び起きるわけでなく、もぞもぞと震動の届きにくい地表ちかくに移動するだけだとわかって、またひと安心。ただし啓蟄を過ぎると、ほんとに地表すれすれのところでカエルが寝ていたりするので、庭仕事や農作業は慎重にしなければなりません。以前、草むしりをしていて、ガマガエルの背中を鎌でざっくり切ってしまったことがあるので、春先はうかつに鎌も持てなくなりました。

そのガマガエルは傷口に唾をつけて、そっと埋めもどしておいたところ、夏になって再開できましたけどね。背中が異様に盛り上がっていたので、すぐにそれとわかりました。毎年、顔を合わせているうちに、情が移って恋人みたいな存在になりましたけど、五・六年前に姿を消してしまい、新しい恋人は目下募集中。

南斜面の土の中では、団子状にかたまっていた蛇のかたまりも、ゆるゆると解けはじめているんでしょうね。

今週の野菜とレシピ

今週は馬田さんの椎茸が復活しました。が、椎茸用のハウスも先日の雪で一部が崩壊していたそうです。びっくりしました。椎茸用のハウスはビニール製ではないので大丈夫と思っていたのですが、やっぱり構造的な欠陥があったんですね。去年、新設したばかりのハウスでしたが、古い方ならこうはなっていまかったかも。便利なものにはそれなりのリスクが伴う、と馬田さんも痛感したみたいで、今度は好子さんみたいに「いいかげんな」ものにするといって笑っていました。

いいかげん、とはほどよい加減のこと。とくに効率的ではないけれど、ほどほどに使いやすく、ほどほどに耐久性があって、温度管理もほどほどなら経費もほどほど。これはわたしたちの生活のしかたにもいえることかもしれません。

日常がほんのすこしでも崩れると、便利なものほど使いものになりませんものね。

ひさびさのは薬味にお使いください。

春菊小松菜ほうれん草と毎回おなじものが入っていますが、今は青菜が貴重なとき。とくに露地ものの小松菜は貴重な存在です。生薬のつもりでお使いください。