春近し?

2014年2月第1週

今週の野菜セット

左から

日中、春のような陽気が続きました。寒くなるのが例年より一ヶ月ぐらい早かったので、春の訪れも早いのではないか。二月の終わりに桜が咲いたりするんじゃないか、などとよけいな心配をしていましたが、今週はまた寒波が居座って、冬がもどって来るようです。

日だまりでは福寿草が咲き、フキノトウも顔を出しはじめましたが、春はまだまだ・・・。でも、陽光だけは日に日に明るさを増しているようです。三日は節分。明くる四日は立春で、この日は初午でもあります。栃木県ではこの初午に、地中に埋めていた大根やニンジンでしもつかれを作ります。新巻鮭の頭をとろとろになるまで煮て、そこに鬼おろしという竹製の道具でおろした野菜を加え、節分に使った煎り大豆、酒粕を加えます。

見かけはぱっとしませんが、栄養満点のエコ料理。長らく敬遠していましたが、最近になっておいしさがわかるようになりました。自分で作ったことはありませんが、毎年農家から分けてもらうのを楽しみにしています。

ストーブ用の薪が減っていくのも、春までの距離を計る目安になりますが、その薪小屋の中をかたづけたついでに裏手にまわってみると、なんとおいしそうなホットケーキが並んでいるではありませんか。お昼前でもあったので、咄嗟に思い浮かべたのがメイプルシロップとバター。しかし、それは大きくなりすぎた椎茸なのでした。

秋口には何度か覗いてみましたが、いっこうにそれらしいものが見あたらないので、それっきり諦めていたのですが、そういえば去年も冬の最中に椎茸が出ていたのでした。それを干して、ひな祭りのちらし寿司に使ったんだっけ。

椎茸を栽培している人に聞いてみても、真冬に出るようなものはないとのこと。だいたい春先に大量に出て、秋口にその半量ぐらいが収穫できるという話でした。馬田さんの椎茸は冬限定ですが、あれは菌床で温度と湿度が管理されています。屋外の原木から真冬にキノコが出てくることはまずないそうです。

数年前にナラの木を切ったので、そこに植菌して小屋の裏手に並べたのですが、やりかたがまずかったのか、春になっても秋が終わりかけても椎茸など出てこない。ドリルで穴を開け、百個以上も菌を打ちこんだ労力が無駄になったと思っていたら、なぜか去年からこの時期だけ出てくるようになったんですね。それも大量ではなく、ぽつりぽつりと・・・。

そして肝心の春先には、精も根も尽きたのか、休眠してしまうのです。なんだかねえ、ぱっとしない話ですが、今年も鍋ものに使った残りを細々とひな祭り用に干しながら、桃の枝を何本か室内に持ちこんで、ひと足早く開花するようにしています。思えばひな祭りなどというのも、もともとは春の到来を祝うものだったのかもしれませんね。

ヨーロッパでは冬眠中のハリネズミを掘り出して、春の訪れを予想させるという行事がこの時期にあるそうで、ハリネズミには迷惑でしょうが、春を先取りするかのようなお祭り騒ぎになるんだとか。

このあたりではモグラが動き出すと、春が近いのがわかります。地中の動きがどうしてわかるのかというと、モグラが子育てに備えて地下室を増設しはじめると、あちこちに土の小山ができるからです。それが庭先や林の中など、いたるところで見られるのですが、今年はとくにそれが顕著で、先週、庭先に三つあったものが、この日曜日には倍の六つになっていました。時期も例年よりかなり早いみたいです。

こちらのほうが寝ているハリネズミを無理矢理ひっぱり出して、わけのわからない人間が通訳するよりも信用できそうです。で、わが家のモグラ先生によりますと、もう春はすぐそこまで来ているとのこと。半信半疑ではありますが、頼りにしています。

今週の野菜とレシピ

今週は青山さんの大根が入ります。みずみずしくて甘みのある大根ですから、煮ものに最適。あつあつの大根は身体が芯からあたたまります。

ちぢみほうれん草に続いて、椎茸も復活しました。この椎茸を小松菜といっしょにお吸い物にすると出汁が要らないくらい、いい味と香りになります。

牛蒡は小口切りにしてハンバーグに混ぜてみませんか。ふつうにハンバーグ種を用意して、そこに牛蒡を混ぜるだけ。両面をこんがり焼いたら、オイスターソースと水を入れ、醤油を加えながら煮こみます。冷めてもおいしいので、お弁当のおかずにおすすめです。