イノシシ

2014年8月第3週

今週の野菜セット

左から

お盆が過ぎたとたん、秋風が立ちました。このまま秋になるとは思えませんが、ひさびさの涼しさを堪能しながら、せめて今週いっぱいぐらい、これが続いてくれれば、と願っていますがどうなりますか。

しかし、こんなに急に涼しくなると、風が立つたびに二の腕をさすりながら、ついこの間までの暑さが懐かしく感じられたりして・・・。これでまた暑さがぶり返したら、うんざりするくせにね。人間って、ほんとに気まぐれで身勝手な生きものみたいです。

稲穂が頭を垂れはじめました。

現金なもので、この時期になるとスズメがぴたりと庭先に来なくなります。

ついこの間まで、ハトの餌場にひと足早くやって来て、山鳩がおっとりと姿を見せるころには餌場はからっぽ、なんてことがよくあったのですが、そりゃあ新米が出てきたら、それがまだミルク状でもそっちのほうがいいに決まってますものね。

ちいさなスズメは遠慮会釈なしですが、カラスはああ見えて、収穫前の米には一切手出しをしないんですよ。カラスが田圃にやって来るのは、収穫が終わってから・・・。団体で落ち穂拾いをする姿が見られ、その健気さには胸を打つものがあります。それなのに、どうしてああも農家に嫌われるんでしょう。

いちばんの困り者がイノシシで、わが家の周辺の田圃には電柵が張り巡らされるようになりましたが、それでも被害は出ているようです。中がまだミルク状の米は籾もやわらかいので、イノシシには格好のご馳走になるみたいです。

電柵にはかなり強い電気が流れていますが、鼻先でそれに触れればショックもあるけれど、剛毛に覆われた身体には効果がないみたい。そこで一頭が勇気を出しで体当たりでもすれば、そこからぞろぞろと入りこんで一夜の饗宴になるわけです。また、電柵というからには電気が必要で、近くに電柱がないようなところでは、設置したくてもできないんですね。

イノシシに倒された稲は、たとえ実が残っていたとしても、かれらの体臭がついているので食べられたものではない、という話もあります。最近では真っ昼間からうるついているぐらいですから、夜間にはぞろぞろと出て来ているんでしょう。夜になると、シシ脅しの空砲が鳴り響くようになりましたが、それもどれだけ効果があるのやら・・・。

近所の人の話では、暗くなって外出先から帰ってきたら、県道をイノシシが横断中でやむなく停止。十五匹まで数えたけど、もっといたかも、という話でした。わたしも一日置きぐらいに姿を見ていて、おなじように犬を散歩させている人に、あそこにイノシシが・・・というと、あっちにもいたよ、という答えが返ってくるぐらい。今年はとくに多いみたいです。

二十年前にはイノシシの存在は知っていても、姿を見かけることなどなかったのですが、この十年ほどで異様に頭数が増えているようです。原発事故の後、シシ肉が売れなくなっているのも一因なのかもしれません。それに従って、うちの周辺ではさつま芋を作る人がいなくなり、最近ではじゃが芋もあまり作られなくなっています。そのうちに米作りもできなくなったら、どうなるんでしょうね。

今週の野菜とレシピ

今週はひさびさにじゃが芋が入ります。ほんとうはその前に玉葱を入れたいところなのですが、この夏の暑さで玉葱の大半がダメになってしまい、メニューには入れられなくなってしまいました。申しわけありません。

葉生姜はそのまま味噌をつけて、あるいは軽く塩もみしてから甘酢漬けにしてどうぞ。もちろん素麺や焼き茄子の薬味にもお使いいただけます。

ゴーヤのチャンプルーにも飽きてきたころでしょうから、今回は佃煮の作り方を・・・。ゴーヤは半割にして種を取り除き、小口切りにします。それを砂糖と醤油でことこと煮て、汁気がなくなってきたら火を強め、箸でかき混ぜながら煮汁を飛ばし、鍋底が見えるようになったら火を止めます。それに削り節を加えたらできあがり。常備菜として、お弁当のおかずにも重宝しますよ。

沖縄では、種を取った梅干しをペースト状にして、そこへ黒糖を加え、スライスしたゴーヤを漬けこんで保存食にするそうです。いろいろ遊んでみてください。