暖冬の予感?

2014年11月第1週

今週の野菜セット

左から

めっきり秋めいて肌寒くなりました。といいたいところですが、どういうわけかいっこうに冷えこむ気配がなく、この時期になってもまだ蚊やブヨが活動しています。代々木公園の立ち入り禁止が解除になったというニュースを聞いて、憮然としながら青山さん曰く、おれなんかあっちこっち蚊に食われながら柿取りしてるのに・・・。

すくなくなったとはいえ、栃木県の蚊は今なお健在で、ブヨも天気のいい昼間にはいつの間にかすり寄ってきて、微小とはいえ身体の一部を囓り取ります。蚊のような針を持たないので、囓りついて血を嘗めて行くんですね。今年は例年より秋風が立つのが早かった割には、進行はのんびりしているようで、フィリピンの近海では今頃になって台風も発生しています。

できることならさっさと霜が下りて蚊もブヨもいなくなって、ほうれん草や小松菜の滋味が増し、大根や白菜が丸々太ってくれるとありがたいんですけどね。

いつまでもあたたかいから畑の草も元気です。この時期になると草は地面にぴったり張りついてロゼッタ状になり、越冬体制に入りますが、それがぼうぼうと背丈を伸ばし、花でもつけそうな勢い。霜が下りたら枯れてしまうんじゃないかと思うんですけど、こんな無防備でいいんだろうか。

それとも今年は暖冬になるんでしょうか。気象庁の予報が当たるなんてそんなバカな・・・と思うのですが、雑草たちの姿形を見ていると、どうもこの冬は意表外の展開になりそうな気配。なにより例年とは畑にいる虫がちがうのです。なぜか土の中から大きなムカデが飛び出してくる。黒光りした身体に、頭部とおびただしい脚が真っ赤という、伝統工芸師の手になる精巧な漆塗りのようなのが惜しげもなく、出てきてはあたふたと草むらに消えてゆくのです。

どちらかというとムカデのテリトリーは裏庭で、ミョウガなどがある湿ったところに潜んでいるもので、年に一度遭遇するかしないかといった程度のもの。それが日当たりも水はけもいい畑の中に散在して、こちらが掘り返すと飛び出してくるのです。二十年以上耕している畑ですが、こんなことははじめてで、はたしてこれは吉兆なのか凶兆なのか・・・。

そういえばアラレちゃんの家の周囲でも、表にある水道で犬の食器を洗っていると、体長が十センチちかくもある巨大ナメクジに遭遇するようになったそうです。そんなのが犬や猫の残りご飯にへばりついていて、水で流そうとすると排水溝を塞いでしまうんだそうです。陸上の越前クラゲという感じ?脚のないのも多すぎるのも、困ったものだと思います。

そんなわけで山の紅葉もさっぱり進んでくれませんが、待ちきれず、近所の仲間たちと御嶽山に登ってきました。御嶽山といってもつい先日、噴火騒ぎを起こした大物のほうではなく、火など一度も噴いたことのない岩山です。でも御嶽山というからには、こちらもかつては修験道の行者たちが行き来したところ。太平洋プレートに圧された結果という表面がギザギザになった岩が、さらに押し上げられてできた山なんだそうです。

だから岩山で険しいなところも多いのですが、なにしろ標高六百メートルほどの小さな山なので、今ではスリリングなトレッキングコースとして人気を集めています。ここでも日が高くなるにつれ気温が上がってくるので、みんな一枚、また一枚と上着を脱ぎながら汗だくになって登頂。そして昼食を食べ終わったころにはその汗が乾くので、ちょっとでも風が吹くたびにくしゃみを連発。こういう季節がいちばん風邪をひきやすいんだよねえ、といいながら帰ってきたしだいです。

でも、さすがに今週あたり、あたたかい煮ものや鍋ものが恋しい気候になってくるでしょう。急に気温が低くなっても風邪はひきますから、あたたかくしてお過ごしくださいね。

今週の野菜とレシピ

今週の青首大根は前回にくらべたらかなり大きくなっているはず。じっくり煮こんでお召しあがりください。

ほうれん草は先週からちぢみほうれん草に変わっていますが、このところのあたたかさのせいか、ふつうのほうれん草との差異がわかりにくいかもしれません。わたしも好子さんにいわれるまで気がつかなかったぐらいですから・・・。これから気温が下がるにつれ、味も姿形もちぢみほうれん草らしくなってくるはずです。

青山さんの赤かぶは漬けもの用です。かぶは半分に切ってからスライス。葉と茎もざくざく切っていっしょに塩をまぶして漬けこみます。2~3日して、ほのかに乳酸菌発酵の香りがしてきたら食べごろです。

来週は白菜が入ります。いよいよ鍋ものの季節の到来ですね。