新緑の季節

2014年5月第2週

今週の野菜セット

左から

淡いパステルカラーだった木々の緑が鮮やかになり、早苗の植わった田圃ではカエルの声がにぎやかになってきました。

つややかな新緑に囲まれながら歩いていると、まるでオズの国に迷いこんだかのよう・・・。先日の雨で空気中の不純物がなくなったせいか、山の稜線に立つとこんなところからも富士山が見え、その左手にはスカイツリーでさえ、薄ぼんやりと突っ立っているのがわかります。意外と近いんですね。

そういえば以前、群馬県の東村というところから岩山の頂上に刻まれた寝釈迦を経て、さらに高度を上げたとき日没になり、足下におびただしい光が広がったことがありました。群馬県にこんな大都会があったっけ、と思っていたら同行していた人が、これ、東京だよ、と教えてくれたんです。残念ながら山の名前は忘れてしまいましたが、蝙蝠傘でも広げて飛び降りれば、瞬時に都内のどこかに着地できそうな距離感。まるで魔法にでもかけられたような気分でした。

山は魔法の国なのかもしれませんが、新緑のこの時期は山に入るまでもなく、樹木のあるところすべて、魔法にかかっているような気がします。そりゃそうですよね。つややかな若葉から真新しい酸素といっしょに、葉緑素までこぼれ落ちてくるのですから・・・。白いシャツを着て樹下に立ったところを写真にすると、白かったものが淡いグリーンに染まっていますから、お疑いの方はお試しください。

うちの犬は真っ黒なのでなんの変化もありませんが、近所にいる仲良しのシュナウザーなんか不自然なぐらいに染まって、写真で見ると人工物にしか見えないくらい。そういえば山羊も体毛が白がったので、この時期にはなんとなく現実離れして見えたものでした。

今はだから、森林浴にはもっとも適した季節なんでしょうね。ほんと、魔法のように心身がリフレッシュされますから、お近くの公園でのんびりと読書などしてみてください。

夏日があるかと思うと、雨とともに気温が下がって薄ら寒い日があったりします。五月になっても、なかなか気候は安定しませんね。

それでも畑や庭先の草だけは勢いよく伸びています。気になりつつも、つまらない怪我のおかげで手を出せずにいたのですが、いよいよ放っておけなくなってきたので、草刈り機でそれを一掃。草刈り機が支障なく使えたので、畑にもようやく耕耘機を入れることができました

半月遅れになってしまいましたが、夏野菜の種を蒔き、ようやく落ち着きました。畑仕事の手を休めると、野次馬よろしくそれを見物していた犬と猫が、山羊のようにせっせと草を食べているところ。本来は肉食獣だったはずのかれらも、この時期にはこういうものが必要なのかもしれません。散歩中にも、やわらかそうな稲科の草を食べている犬の姿をよく見かけます。

犬猫はだれに教わるでもなく、自分の身体に必要なものがちゃんとわかるみたいですね。いろんな情報に振り回され、右往左往している人間ってなんだろうと思うと、ちょっと悲しくなりました。

今週の野菜とレシピ

ふきは葉っぱと茎を切り離し、はじめに茎のほうを湯がき、火を止めてから葉っぱを入れてしんなりさせます。それから茎も葉も刻んで、ぎゅっと絞って水気をよく切り、同量の酒と醤油で煮てください。ふきから出てきた水分がすくなくなったら、火を強めて煎りつけるようにそれを飛ばし、削り節をたっぷりからめたら佃煮のできあがり。香りのよさとほろ苦さが身上です。

おかひじきもさっと湯がいてから、辛子醤油で和えるか、醤油とマヨネーズでさっぱりと・・・。しゃりしゃりした食感が涼を呼びます。

仁平さんのトマト。去年はBクラスというか、出荷した残りものしか分けてもらえませんでしたが、今年からA品を出してもらえることになりました。そのかわり値段も倍になってしまうので、トマトの質がよくなった代わり、量は半減してしまいます。おいしいものをたっぷり、というのがほんとうは望ましいんですけどね。

好子さんのラデイッシュは小ぶりですが、同量の味噌とマヨネーズを混ぜたもので丸かじりしてくださいね。