春の山
2014年4月第2週

左から
- 葉付きニンジン
- ほうれん草
- かき菜
- タマネギ
- 文旦
- 小松菜
- ゴボウ
こちらでも桜が満開になりました。桜が咲くと、風景がぱっと明るくなりますね。
山の色も変わりました。木の芽がふくらみはじめているんでしょう。山全体が赤みを帯びて、桃色の珊瑚礁のように見えます。山頂からそれを見下ろすと、そこに向かってジャンプしたくなるぐらい、やさしい色合いです。
日曜日には山をふたつ越えて、カタクリの花を見に行きました。山の北斜面にカタクリが群生し、それがいっせいに花弁を反り返らせている光景は圧巻です。カタクリは根にデンプンを蓄積することで有名ですが、よくそれがイノシシに掘り返されないものだと思いました。山に登る途中、あちこちにイノシシの狼藉の痕跡がありましたが、あまり高いところには来ないのかもしれませんね。うちの近所にあったワラビの群生地が、冬の間に根を食い荒らされて、今はセイダカアワダチソウしか生えていないのと対照的でした。
カタクリは根だけでなく、花も葉も食用になります。葉っぱはさっと湯がいておひたし、花も湯がいて甘酢に漬けるとおいしいのですが、近所の仲間がいっしょだったので、ほんのすこし拝借したいところを我慢。心を残しながら帰ってきたしだいです。
菜摘みの季節です。
カタクリのような希少種は諦めることにして、庭先でツクシやスギナの新芽を摘みます。ヨモギの新芽は湯がいてフードプロセッサーにかけてから、白玉粉に混ぜ込んでインスタント草餅に、タンポポの花はてんぷら、葉はサラダにします。
春先は気温の変化が大きく、身体にかかるストレスも一年中でいちばん大きいので、こういうものでミネラル補給をするのです。ミネラルが不足すると、自分の骨からカルシウムなどが溶け出すことになり、それがいわゆる春眠暁を覚えずという現象になるそうです。ですから、この時期になって寝覚めがわるかったり、昼間でも睡魔に襲われるようなら要注意。お花見ついでにそこらの草を摘んでみてはどうでしょう。
野菜セットにももうすぐコゴミや山ウドといった山菜が入ります。それまではあぶら菜でミネラル補給をしてくださいね。あぶら菜のほのかな苦みが身体を癒やしてくれるはず。春は一年中でいちばんすばらしい季節ですが、それだけにリスクも大きいようです。先週末は春雷が轟き、このあたりでも雹が降りました。日曜日も天候が変わりやすく、暑くなったかと思うと、急に冷たい風が吹き、山頂からは竜巻雲も見えました。あの竜巻はどこへ行くつもりなんだろう、などといっているうちに空がかき曇り、暗くなってきたので慌てて山を下りてきましたが、二時間以上もかけて登ったところなので、下りるにもそれ相応の時間がかかります。登山口の車の手前で雨雲に追いつかれてしまいました。
開けて今日、竜巻被害のニュースは聞かれないので、あの漏斗状の雲はどこかで消滅したか、茨城県の海上あたりに抜けたみたい。まずはひと安心です。
今週の野菜とレシピ
今週は愛媛の新玉葱が入ります。スライスして、そのまま鰹節と醤油をかけてもおいしいですよ。
青山さんのニンジンもうれしいですね。これもそのままポリポリと囓りたくなるぐらい、甘くて美味。葉っぱは細かく刻んで、ちりめんじゃこといっしょに炒めてください。味つけは醤油をまわしかけるだけ。仕上がりに煎り胡麻をたっぷり加えると、ミネラル分たっぷりのふりかけになります。
牛蒡のアクも貴重なミネラル分。できれば水にさらしたりせずに調理してくださいね。