ツバメの巣立ち

2014年5月第5週

今週の野菜セット

左から

もう夏なんですね。ホトトギスのさえずりが聞こえるようになりました。

若鳥なんでしょうか。トッキョキョカキョクはこれに東京都をつければ早口言葉になるぐらいですから、ホーホケキョよりかなり難易度が高いと見え、面白い啼きかたをしているのがいます。今朝もトッキョッキョッキョッキョーという素っ頓狂な声で目を覚まし、ひとりでくすくす笑いながら起きてきたしだいです。

朝夕は肌寒くても、日中は夏の様相を呈してきました。日照時間も夏至に向かってどんどん延びています。日があるうちは家に入るのがもったいなく、裏庭や畑でごそごそと動きまわるので、夕飯はとっぷりと日が暮れてから・・・。ときどきご飯を待ちかねた猫が催促に来て、こちらにつきあっている犬に八つ当たりをしては怒られています。

ツバメの雛たちもいつの間にか元服式を終えているようで、もう燕尾服に着替えて小さな巣から代わる代わる出てきては羽ばたきをしています。それでもまだ、親が帰ってくると大きな口を開けて餌をもらってるんですけどね。

今朝見たら、一羽が巣のふちから飛び立って、ガレージの中を一周してはもどるのを繰り返していました。今週中には四羽とも巣立つんじゃないでしょうか。再利用された去年の巣も、こちらの心配をよそに立派に役目を果たしたようですね。

しばらく遠ざかっていたトンビの声が、また頻繁に聞こえるようになったと思ったら、上空を大きく旋回しているトンビの後を、それよりすこし小ぶりなのが追いかけています。しきりに啼いているのは狩りを指導している親なのか、教わっているほうなのかわかりませんが、以前ピーヨと呼んでいた啼きかたに特徴のある若鳥が、しきりにピーヨピーヨと啼きながら親鳥を追っていましたから、きっと子供のほうが、父ちゃん待ってよ、なんていってるんでしょう。

そういえばピーヨは元気にしているのかしら。すこし前までは、あの特徴のある啼き声が聞こえてくると、ああ元気にしているんだな、とわかりましたが、ここしばらく耳にすることがありません。啼きかたがピーヒョロロロロに進化してくれたのならいいんですけどね。

ひさびさに雨が降ったおかげで、枝豆もインゲンもいっせいに発芽。ミニトマトもだいぶ背丈を伸ばしてきました。

アリの巣は?と覗いてみると、地面が濡れているうちはなんの動きもありませんでしたが、乾いてくるとまた盛んに出入りしています。無防備に見えて、じつはしっかり防水加工がしてあるようです。もっともそうでなかったら、とっくの昔にアリなんて絶滅してたでしょうけどね。

それとは対照的に脆かったのがアリ地獄の巣で、こちらは軒下にあったにもかかわらず、先日のような強い雨が降るとダメみたい。すり鉢状の巣穴が使いものにならなくなっていました。しかし、こちらも地面が乾いてくると新たにトラップを作り直していますから、どっちもどっち。こうしてかれらは何千年も攻防を繰り返してきたんでしょうね。

この天災と復活の小さなドラマをクローズアップすると、そのまま人間界にも当てはまりそう・・・。ただしそこには放射性物質などという厄介なものはありませんが、そのかわり農薬という脅威があるわけですね。人も動植物も天災からはいくらでも復活できるけど、人災だけはどうしようもないんだな、とあらためて思ったしだい。

善良な市民たちだって、生活排水や廃棄物で小さな生きものを殺傷しているわけですから、それぞれが小さな公害企業みたいなもの。スーパーに山積みされた合成洗剤や、ホームセンターに山積みされた除草剤の数々。これが全部自然界に放出されたら、と思うと気が遠くなりそうですが、それらを全部処分したところで結果はおなじなんですね。罪深い時代になったものです。

今週の野菜とレシピ

今週は好子さんのブロッコリーが入ります。アオムシくんが隠れていたらごめんなさいね。さっと湯がいてサラダや辛子醤油和えでどうぞ。来週はスナップエンドウも出て来そうです。

かぶの即席漬け

かぶは皮をつけたまま薄くスライス。茎と葉も、大きすぎるのは除いて刻み、いっしょにして醤油をまわしかけ、しばらく置いたらできあがり。お好みで七味唐辛子をふってください。


玉葱トマトも500グラムと控えめですが、トマトの単価が高くなったので申しわけありません。冷たくしたトマトを輪切りにして、オニオンスライスをたっぷり載せてお召しあがりください。