梅雨の花

2014年6月第4週

今週の野菜セット

左から

梅雨の中休みが長引いてました。気象庁が梅雨入り宣言をすると、とたんに雨が降らなくなるという、例年のパターンになるのかと思っていたら、週末、しっかり降ってくれました。、ただし、県北では土砂崩れの被害が出ているようです。雨がないのは困るけど、ちょっと雨が続くとそれが災害と化してしまう。気候が凶暴になっているというのもあるかもしれませんが、どうも大地が脆弱になっているような気がするんですね。

大地のほとんどがアスファルトやコンクリートで覆われてしまった都市部ならともかく、一見、自然が豊かに見えるところでもそういうことが頻発するということは、山が荒れているということなんでしょう。多くの山が杉や檜で覆われているのを見ればわかるように、それは本来の自然の山ではない。そういう人工林が手入れもされず、放置されているのが問題なのだと思います。

ただでさえ、針葉樹は広葉樹にくらべて保水力が弱いのに、それが間伐もされず、蔓植物に巻きつかれて青息吐息になっているのですからね。日本列島の背骨ともいうべき山々がこの国を支えているのに、経済効率のわるさがそれを荒廃させているのは、なんか本末転倒みたいな気がするんですけどね。

雨が降ろうが降るまいが、植物は律儀に生長し花をつけます。今は栗の花が満開で、山の中でも道路際でもあの独特の香りを漂わせています。これはもしかしたらカビ防止剤のはたらきをしているいるんじゃないだろうか、なんて思いたくなるような薬臭さです。トウモロコシに似た房状の花が、どうやって栗の実になるのか、そしてこの漂白剤みたいな臭いがどうしてあんな穏やかな甘みになるのか、不思議なことだらけですが、この臭いにも慣れてくると清涼剤のようになってきます。

地上ではドクダミの花。この十文字の白い花は花瓶に活けると、とたんに見栄えがよくなって、悪臭といわれている香りもさわやかに感じられるもの。この香りはハエ除けになるので、トイレが旧式のころは便壷の中に入れて、蛆が湧かないようにしていたそうです。わが家では小さな束をたくさん作って、冷蔵庫や食器棚の中、小さな蛾の発生しやすい乾物類のところにも並べています。ドライフラワーになってからも、しばらくは効力があるみたいです。

うちの娘が小さい頃、アトピーがあったので、夏になるとドクダミを陰干しして煮出し、それを麦茶に混ぜて飲ませていたものです。ずっと騙されていたのですが、あるとき友人宅で混ぜもののない麦茶を出され、そのおいしさに感激。うちの麦茶はなんかあやしい、と思いはじめたようで作戦は失敗しましたが、でも、そこは女の子。このお茶はまずいけど、肌がきれいになるといったら、続ける気になってくれました。お茶のせいかどうかはわかりませんが、成人するころには肌のトラブルはきれいにおさまってしましたよ。

二度目の営巣をしていたツバメの巣が、あろうことか落ちてしまいました。よほど慌てていたんでしょうか。巣の中には羽毛のクッションが並べられていましたが、さいわい卵はまだ産んでなかったみたいです。

丸一日、カップルは放心したようにぼーっとしていて、それから姿が見えなくなったので、諦めたのか、それとも巣を作る場所を変えたのかと気をもんでいたら、またせっせと巣作りをはじめてくれました。今度は古い巣の隣。それがようやく完成したところです。

遠来の客人にもてなしをするわけではありませんが、かれらが営巣中ははらはらどきどき、なんか落ち着かないものですね。

今週の野菜とレシピ

今週は茄子が入る予定でしたが、まだ量がまとまらないようです。代わりに間引きニンジンが入りました。ニンジンはステイックにして丸かじり。葉っぱのほうはちりめんじゃこといっしょに炒めて、醤油少々で味つけしてどうぞ。

ズッキーニインゲンも終盤を迎えているため、今週はどちらか一方が入る形になりました。

そのかわりモロヘイアが登場。さっと湯がいてお浸しにしてください。

みずみずしい堀りたてのニンニク。その一片をスライスして、2~3ミリ厚さの斜め切りにしたきゅうりに混ぜて醤油をまわしかけます。10分ぐらいできゅうりがしんなりしたら食べごろという、いたって手軽な漬け物ですが、ニンニクの香りがさわやか。ニンニクも芳香か悪臭か意見が分かれるようですが、この即席漬けは高温多湿のうっとうしさを払うことまちがいなし。

来週はもしかしたら青山さんの畑から、遅い春キャベツが出てくるかもしれません。