春近し?

2015年1月第4週

今週の野菜セット

左から

朝夕はあいかわらずの冷えこみですが、日中は春のようなあたたかさ。太陽の位置が日に日に高くなり、明るさも増しているようです。

今年は春が早いんじゃないか、というのが青山さんの説。彼はミニお天気博士で、雪の予報が出ても実際に降るか降らないかは彼が判断してくれます。先週の雪も「ぜーんぜん、なんちゃない」の言葉通り、庭先に砂糖をまぶした程度で済みました。今年は桜も早いそうです。

そのせいでしょうか、庭先の土饅頭が急に増えました。朝、窓を開けてびっくり。丼をひっくり返したような小ぶりのから、バケツでもぶちまけたようなビッグサイズまで、ついこの間までなにもなかった冬枯れの地面が、オリンピックを間近に控えたかのごとくひっくり返されているのです。モグラの地下鉄工事です。大規模に道路脇を掘りかえし、あたりの風景まで一変させているイノシシ・ゼネコンにくらべたら控えめとはいえ、土饅頭もこれだけの量になると閉口します。いいかげん対策を講じないと、地下の秘密基地が巨大化してわが家が傾いてしまうかも・・・。

イノシシはやることが派手だけど、数頭ずつのグループが移動しながら暮らしているので、根こそぎ食いつくしてしまったらやって来なくなります。でも、モグラのほうはそうはゆきません。たまに犬や猫のおもちゃになったりすることはあっても、かれらが引っ越さないかぎり増え続けるのです。薬物に頼らず、トンネル内に水を注入するといった姑息な手段も避けるとしたら、いったいどうしたらいいんでしょう。

モグラたちは繁殖期が近くなると、通路の整備やら部屋の増築やら、忙しくなってきます。そんなモグラの住まいにはトイレもあれば、ちゃんと井戸も掘ってある。穴蔵暮らしですから、衛生問題にはとくに気を使っているようです。そういう事情を知っていると、土饅頭にも文句はいえないし、地面の下にそんな文化的な住まいがあると思ったら、野蛮なこともできなくなる。毎年、困った困ったといいながら、放ったらかしているんですね。

ところが自然界というのはうまくしたもので、モグラの土饅頭が増えてくるにつれ、トンビが上空を舞うようになるのです。日が高くなってくると、音もなく上空に偵察機が現れ、高性能レンズで地上の監視をはじめます。モグラやネズミにとっては、恐怖の殺戮マシーンです。以前、ウサギを放し飼いにしていたことがありますが、それが突然家の中に駆けこんだり、ブランコの下に潜りこんだりしたときには、かならず上空にトンビの姿があったものです。かれらの背中には目でもついているのかと思うような機敏さでした。

でも、地下で作業中のモグラにはそんなことはわかりません。しかもトンビの目は、土饅頭の砂がわずかにでも動くとそれをキャッチ。土を運び出すのに余念のないモグラを、急降下して攫ってしまうのです。それがどれぐらいの数になるのかはわかりませんが、見晴らしのいい畑から土饅頭がなくなって、代わりに庭先で増えているところを見ると、トンビの影響力もバカにならないみたいです。トンビはトンビで繁殖期を目前に、スタミナをつけておく必要があるんですね。

人間がよけいな対策を講じるより、こういうことは自然界の成り行きに任せておいたほうがよさそうですが、できれば今度は前庭から裏庭のほうへモグラたちを移動させていただけると助かるんですが・・・。トンビが視力だけでなく、聴力も発達しているといいんですけどね。

今週の野菜とレシピ

大根が好子さんの青首大根から青山さんのものに変わりました。これは上から下まで太さが変わらないので、おでん大根と呼ばれているそうです。上につく名前がなんであれ、大根は大根です。煮るとぽかぽかと身体の中からあたたまります。生姜の千切りといっしょに炒め煮にしてもおいしいですよ。

この冬は北海道のじゃが芋が入荷できなくなってしまいましたが、里芋でもコロッケは作れます。里芋は皮ごと茹でて、粗熱が取れたら皮を剥いて潰しておきます。豚挽肉をみじん切りの生姜といっしょに炒め、醤油と砂糖少々で濃いめに味つけしたものを混ぜ、小麦粉、溶き卵、パン粉をまぶして揚げれば里芋コロッケ。

コロッケの中身に直接卵を割り入れて、つなぎの小麦粉も混ぜたものを、スプーンで落としながら揚げたら芋団子。お皿に春菊を敷き詰めて団子を並べ、包みながら食べてみてください。