梅雨の晴れ間

2015年6月第4週

今週の野菜セット

左から

梅雨寒が続いています。週末には夏空がもどって来ましたが、それも束の間。急変して嵐のような吹き降りになったりします。ほんの短い間だからいいようなものの、これが長時間続いているところはたまりませんよね。

南九州の集中豪雨や群馬県高崎市の竜巻など、梅雨と呼ぶには過剰というか、暴力的にすぎる事態が頻発していますが、そんな惨事には至らなくても、土中の水分が飽和状態になってくると、今度はすこしの雨でも土砂崩れが起こりやすくなります。わが家の周辺にも「土石流危険流域」という警告板のある沢がいくつもありますが、そういうところにかぎって景色がよかったりするんですね。今はもう道路沿いの田圃しか使われていませんが、昔は奥のほうまで棚田が連なっていたはずで、そういうところが危険区域になるというのも、農業の効率化や機械化、あるいは減反政策で耕作が放棄されてしまったことと無関係ではないでしょう。

一見、豊かになっているようでも、それは表向きだけで、実態がお粗末なのは経済の話だけではなさそうです。それに「農」がからむと、足元の地面に直結することだけに問題は深刻です。わたしたちの拠って立つところが危うくなるということですものね。

もっとも地球そのものが、すでに危機的状況にあるのかもしれません。それは前世紀後半から爆発的に使われるようになった石油のせいですが、石油を大量に使うことで炭素量が増え、それで地球が温暖化して・・・などというまどろっこしい説明はともかくとして、まあ、それも一理あるんでしょうけど、わたしはずばり、石油というのは地球の血液なんじゃないか、と子供のころから思っていたので、何十年にもわたってこれだけ大量に血液が抜かれたら、いくら地球が大きいといっても貧血になるだろうし、身体ももたない。早晩、ぶっ倒れるだろうと思っていましたが、いかんせん、地球は丸いので倒れるわけにも行かず、やけくそになってあちこちでマグマなど噴き上げるようになったんだろう、と思っています。

石油が地球の血液というのは、ちょうどわたしが初潮を見たころと、タンカーの衝突事故かなにかで流出した原油の映像が重なって、そういう思いこみになったんだと思いますが、今になっても地中にあるものをなんでもかんでも掘り出すという文明のありかたはあさましいと思います。血を抜かれた上に臓器まで掘り出されて、これで従来通り地力やら正常な季節の巡りなんか求められてもねえ。地中深くから掘り出されたウランにわたしたち人類が苦しめられることになるのも、人類が無遠慮に地中をかき回しすぎて、タブーになっている領域まで侵してしまった報いなのかもしれません。

宝石だってそう。あれはわたしたちの身体にまつわりつかせるよりも、地中深くから大地に力と輝きを与えるものだったにちがいありません。ラッキーストーンなどというのに手を出して、逆に体調を崩したりするのはそのせいで、あれらの石は人体をきらびやかに飾りたてるものではなく、ひっそりと威力を発揮するものだったからです。ま、宝石に縁のない者のひがみかもしれませんけどね。

星の王子様は「砂漠がうつくしいのはどこかに井戸があるからだ」といいますけど、地中深くに隠れている一粒のダイヤモンドのせいかもしれない。わたしの畑が夏になると輝きを増すのも、地中にいるメタリック・ブルーの小さなトカゲたちのせいでしょうからね。

今週の野菜とレシピ

モロヘイアが加わると、野菜セットも一気に夏めいた感じになります。さっと湯がいておひたしに・・・。いろいろやってみましたが、日本人にはこれがいちばん合うのかもしれませんね。

青山さんのきゅうりは出はじめたばかりなので、だんだん量が増えてくると思います。

茄子ズッキーニ。どちらも輪切りにして、スライスしたニンニクといっしょにオリーブ油で炒めて塩、胡椒。皮を湯むきしてから種を取り除いたトマトも加え、耐熱皿に広げてバジルとピザ用チーズを散らし、オーブンで焦げ目をつけるとパンにもご飯にも合って、冷たいワインには最高という一品になります。でも、日本人にはこれも素揚げにして、麺つゆに浸したほうが合うのかもしれませんけどね。

来週はピーマンも出てきます。今月の後半にはオクラが出てきますが、そうなったら本格的な夏ですが、今年はどうなるのか、ちょっと予想がつきません。