麦秋
2015年6月第2週

左から
- キャベツ
- キュウリ
- 新ジャガ
- ドジョウインゲン
- ニンニク
- 間引きニンジン
梅雨入りするんだか、しないんだか。どうやら気象庁が「梅雨入り」というと梅雨前線が遠のき、知らん顔をしているとこっそり近づいてくる。まるで「だるまさんが転んだ」のように前線に遊ばれているみたいです。大の大人があれやこれや、データをいじくりまわしながら連日会議を開いているというのにね。でもまあそんなことはわからなくても、適度な降雨のおかげで畑は潤いましたし、一ヶ月以上も遅れて営巣をはじめたわが家のツバメも、梅雨入り前に巣を完成させることができ、産卵の態勢に入っています。大急ぎの巣作りだったせいでしょうか、三羽がせわしなくガレージを出入りしているのですが、このつがいといっしょにいるもう一羽はいったい何者なんでしょうね。
雨期が近くなってくると麦秋です。畑一面をプラチナブロンドに染めていた大麦の収穫が終わり、ブルネットがそよぐ小麦畑にコンバインが入りはじめました。小麦畑がきれいに刈り取られていくのは壮観ですが、いったいどれぐらい小鳥の巣が犠牲になったのか、それを思うと頭上に聞こえるヒバリのさえずりが悲鳴のようにも聞こえてきます。
玉葱畑の中にも、ヒバリの巣はけっこう無防備に点在しているそうです。こちらのほうは収穫が手作業なので、心やさしい農家であれば畑の隅のほうに移動させてくれますが、卵の入った巣がけっこうあるみたい。ヒバリは早春から営巣をはじめるので、もしかしたら二度目の抱卵なのかもしれませんけどね。ヒバリもバカではないから、玉葱や麦の収穫期はちゃんと頭に入っているはずです。それでもそこを選ばざるを得ないのは、営巣時には夏野菜の畑が未完成だったり、人の出入りが多かったりするからでしょうか。
麦秋がもうひと月ぐらい遅ければ、雨期と重なることもなく、ヒバリの雛たちも巣立ちを終えているでしょうに・・・。自然界というのは、ほんとにまあよくできたものだと思うほど、季節やら気候と生態系とが絶妙に絡み合っているものですが、たまにこういう齟齬を生じることもあるようです。
そしてこの時期、どこからともなく匂ってくるのが栗の花。空き地を覆い尽くす勢いのドクダミの花と並んで嫌われ者ですが、わたしが住んでいる山間は地名が「栗生」というだけあって、あっちもこっちも栗の木だらけ。わが家の庭にも、知らぬ間に出てきて大きくなった山栗が何本か、なぜか植えた覚えののない屋敷栗まであります。風向きしだいで、そのうちのどれかがいつも匂っているというわけです。漂白剤とかプールの消毒薬みたいな臭いですから、芳香とはほど遠いとはいえ、不快感はありません。まあ、天然のカビ防止剤ぐらいの気持ちで受け止めると、それほど気にはならないものです。もっとも、ほんとうにカビ除けになるわけではないでしょうけどね。
ほんもののカビ防止剤といったら、やっぱりピリカレでしょう。今年もこれを五百倍から千倍に薄めたのを、あっちこっちにスプレーしておかねばなりません。わが家では入浴剤としてピリカレを茶匙一杯、毎回お風呂に入れるようになってから、浴室のカビ対策が不要になったぐらいですから、これは効果があります。
また先日、植木鉢の水遣りの際に雨水受けを覗いたら、いつの間にかおびただしいボーフラが瓶の中を上下しています。即座に洗濯用のピリカレを取ってきて、スプーンの先にほんの少々、それを水面に落としたらかき混ぜるもなく全体に広がって、あっという間にボーフラが消えてしまいました。消えるわけがありませんから動きが止まって小さなゴミと化したのですが、その即効性たるや毒薬並みです。それなのに金魚鉢に入れると、金魚があれだけ元気になるのですから、ほんとに不思議な洗剤ですよね。
だれか、デング熱対策で大騒ぎしている東京都に教えてあげたらどうでしょう。というより、都内の住民が界面活性剤入りの洗剤などやめてピリカレを使うようになれば、下水口から蚊が侵入しても繁殖できない。配水管も汚れないし詰まらないから余計な経費がかからないし、下水に特有の臭気もなくなる。というわけで、いいことずくめなんですけどね。
今週の野菜とレシピ
今週は青山さんの新じゃがとキャベツが入ります。ブロッコリーはアブラムシにやられてしまいましたが、キャベツは外葉が虫害を受け止めてくれるため、なんとか出荷にこぎつけたそうです。
堀りたての新じゃがは皮を剥かなくても食べられます。ちいさめのじゃが芋はそのまま、大きめのは適当に包丁を入れて、皮をつけたままフライパンで油炒め。生ハム、ベーコン、パンツエッタのいずれかを、これも食べやすいように包丁を入れて加え、ひたひたまで水を入れて塩とオイスターソース少々も加えて落とし蓋をします。水気がなくなったら芋を食べてみて、味が薄いようなら醤油少々をまわしかけてください。さっと塩茹でしたインゲンを斜め切りにして、仕上がりに散らすと彩りがきれいです。
季節の別注品のお知らせ
- らっきょう(1kg)600円
- 実山椒(100g)250円
- 青梅(大粒)キロあたり800円
- 青梅(小粒)キロあたり600円
*らっきょうと青梅は6月上旬から中旬にかけて・・・。
実山椒はうっかりしていたので、すぐにでも送れる状態になっています。
*事務所が留守になっていましたら、留守番電話にご用件を入れ、お名前も 忘れずに入れておいてください。後ほどこちらからお電話さしあげるようにしています。