暑いの寒いの

2015年12月第2週

今週の野菜セット

左から

ようやく冬らしくなって、畑にも霜が下りるようになりました。冬野菜は霜が当たってなんぼのもの。凍結と解凍を繰り返しながら葉先が枯れてきたぐらいが、見栄えはわるくても味は最高、栄養も満点。ちぢこまった身体も、野菜の甘みと滋味でほぐれてきそうです。もっとも暖冬になってしまったら、身体がちぢこまることもないし、野菜もことさら甘くなろうとはしないんでしょうけどね。

この寒さも山崎さんの原木椎茸にとっては逆境になっています。ついこの間まで順調に収穫していたときには販売許可が下りなかったのに、やっと下りたと思ったら今度はキノコが大きくなれない。この寒さのせいなんですね。セシウムの検査結果が不検出でも、農水省の許可がないことには売れないというおかしな農政。そんなこんなで遠く九州から原木を取り寄せ、菌を打ちこんでは寝かせ、水をたっぷり含ませてから井桁に組んで、といった数年がかりの投資が無駄になりそうです。こちらとしては農水省の許可なんかどうでもいいから、薫り高い肉厚のどんこ椎茸をみなさんに提供したかったのに、山崎さんが真面目すぎるのか、蹄賭したため実現しませんでした。

このところ馬田さんの椎茸が不調で、かつてのようにわたしたちを感動させるような力も無くしているようなので、そこを原木椎茸で補ってもらいたかったものですから返す返すも残念です。それでも今週の気温しだいでは、もしかしたら来週は・・・などと期待しているのですから、本気で寒くなってほしいのか、それとも暖冬に甘んじたいのか、自分で自分がよくわからない。都合しだいで矛盾したことを平気で口にするのは、こと気候にかぎったことではないのかもしれませんけどね。

このように暑いの寒いのと気候の愚痴ばかりこぼしていられるのは、ほんとうは幸福なのことなのかもしれません。あっちからもこっちからもきな臭いニュースが届いてくると、冬野菜がなんだ、椎茸がどうしたとどやされているような気分になります。

それにしても、欧米でテロが起こるとどうしてこんなに大騒ぎになるのでしょう。イラクでもアフガニスタンでもシリアでも、そしてパレスチナでもほとんど日常的に繰り広げられている暴力の片鱗がもたらされただけで、どうして軍隊まで出動する騒ぎになるのか。あたかも暴力というのは中東やアジア、アフリカにあっては正当化されるけど、欧米諸国では許されない。あんたたちとは身分がちがう、とでもいうのでしょうか。

いうのでしょうね。だから平気で空爆などという無差別攻撃をする。テロリストが潜んでいるというのが空爆の理由なら、フランスやベルギーにも劣化ウラン弾のひとつやふたつ落とさなきゃ・・・。タリバンがひとりの少女を傷つけたら大騒ぎになって、ノーベル賞なんてものまでしゃしゃり出てくるのに、アメリカの無人攻撃機がどれだけの児童を殺傷しょうが、それはニュースにもならない。あ、ごめん、誤爆しちゃった、てな感じ?

テロという無差別攻撃が卑劣で許しがたいのに対し、空爆という無差別攻撃が正義の名の下に行われるというのは、モラルの優劣ではなく、単なる力関係じゃないのでしょうか。そもそもイスラミック・ステイトがどういう経過で生まれたのか、それを考えたら英米などは国を明け渡してでも難民を受け入れなきゃならないはず。もちろん日本だって、小泉さんあたりが先頭に立って、受け入れ態勢を整えなくちゃなりませんよね。

今週の野菜とレシピ

青山さんのリベンジ・キャベツです。防虫ネットのおかげで復活しましたが、本来なら今頃は防虫ではなく、防寒ネット(寒冷紗)が必要になんでしょうけどね。ロールキャベツやポトフでどうぞ。

牛蒡も入りましたが、にんじんはなかなか大きくなれないようです。そんなわけで彩りはよくありませんが、今回は牛蒡だけできんぴらにしてください。細かくスライスしてハンバーグ種に混ぜてもおいしいですよ。

今週、ほんとうは原木栽培の椎茸が入る予定でしたが、ここへきて気温が低くなって来たため生育が鈍ってしまい、全セット分が用意できなくなってしまいました。野菜たっぷりセットとフルーツセットの方にしかお分けできませんでした。申しわけありません。