中秋の名月
2015年10月第1週

左から
- 間引き白菜
- インゲン
- 舞茸
- ナス
- 間引き大根
- 芋茎
まずはお詫びから。長年働いてくれていたプリンターがだんだんいうことを聞かなくなり、ついに先週、一動かなくなってしまいました。ご臨終です。そんなわけで今週からA4の原稿2枚をB4サイズにおさめるというような芸当ができなくなるので、A4の両面コピーという形になります。そうなると、これまでの文字サイズではいくらもお話ができなくなりますので、文字が小さくなります。読みづらいとは思いますがお許しください。
もうひとつのお詫びは先週の枝豆の件。実がかたくなっているのを承知で、サービスとして使わせてもらいましたが、20分茄でたけれども硬くて食べられなかったという方がいらっしゃいました。よく噛めばおいしかったけど顎が疲れた、という意見もあり、いずれにせよサービスという名の押し売りで迷惑をおかけしてしまいました。申しわけありませんでした。
週末は中秋の名月でしたが、きれいな満月にお目にかかれたでしょうか。満月というのは雲ひとつない夜空に浮かんでいるよりも、雲があって、しかもそれが風に流されていたりしたほうが表情が豊かになるみたいです。今年の名月も出てきたときはつるピカの健康美人でしたが、夜が更けるにつれ、雲が多くなって翳りのある憂い顔になり、名女優さながらの変身ぶりでした。
この時期になると、スーパーやコンビニにハロウィン・グッズが並びはじめます。ここ数年の現象ですが、ハロウィン・パーティーなども催されているんだとか。商売熱心な国民性ゆえ、これもクリスマスやバレンタインデー同様に定着して、そのうちにハロウィン・プレゼントのコーナーがあちこちで見られるようになるのかもしれませんが、でもね、日本の農村には元々それに類した行事があったんですよ。
ぼうじ棒という、里芋の茎で作った棒というか鞭のようなものを子供たちが持ち、それで地面を叩きながら一軒一軒近所を回って「ぼうじ棒あたれ、大麦・小麦・小豆にあたれ、三角畑の蕎麦あたれ」と繰り返してお小遣いやお菓子をもらう行事で、豊作祈願を兼ねたものでした。全国的に行われていたようですが、今では廃れてぼうじ棒を作れる大人もいなくなりつつあるそうです。西洋カボチャに浮かれるぐらいなら、こういう伝統行事を復活させて、地域の子供たちを交流させたほうがよっぽどいいと思うんですけどね。
わが家のあたりでも数十年前に廃れていますが、アラレちゃんが住んでいるあたりでは今なお盛んで、十五夜と十三夜の夜には子供たちがぼうじ棒を振り回しながらやって来て、お菓子やらおひねりを巻き上げて行くといいます。アラレちゃんは恐怖のぼうじ棒、としいい、なくなってくれたほうが助かるといいますが、いいじゃないですか。年に二回ぐらいベビーギャングに襲われところで、被害なんてたかが知れているし、それよりも疎遠になりがちな近隣と繋がりができるから、防犯効果もすくなくないはず。これは農村より、むしろ都市部のほうに必要なお祭りかもしれませんね。
今週の野菜とレシピ
芋茎は3~4センチに切っておきます。湯がくと膨れて鍋から溢れそうになりますから、すぐに火から下ろしてザルに上げます。摺り胡麻に砂糖と醤油、酢少々をプラスしたもので和えてお召しあがりください。