ペルセウス座流星群

2015年8月第2週

今週の野菜セット

左から

先週末はもう立秋。それなのにこの暑さ、腹立たしいやら面目ないやら・・・。夏を迎える前から、この夏は冷夏、秋の訪れが早い、などと騒ぎたてていたわたしは、もうすっかり自信喪失しています。すこしぐらい暑さがやわらいだところで、秋の気配などとは口が裂けてもいいますまい。個人的な希望的観測としか思われないでしょうからね。

でも、お盆を目前にして稲穂は頭を垂れはじめ、田圃の周囲にははやくも電柵が張り巡らされています。イノシシ対策なのですが、そのイノシシの姿が今年はさっぱり見あたらない。さすがのイノシシも、この暑さには食傷気味なのかもしれません。かれらにも暑中見舞いになにか一品、贈ってやりたくなるぐらい・・・。生きとし生けるものに、暑中お見舞い申しあげます。

そういえばこの夏はイノシシだけでなく、ハクビシンによる被害も聞きません。あまりの暑さに虫害でさえ、減ってるんじゃないかと思われるほど・・・。あるいはみんな、熱中症を恐れて畑仕事をほどほどで切り上げるようになったので、被害があってもわかりにくいのでしょうか。

ほんの十年ほど前までは、涼しい夏の過ごし方として、農家のように長袖長ズボン、首にはタオル、麦藁帽子に長靴という暑苦しい格好で畑仕事をすること、などといってそれを実践していたものでした。またたく間に全身汗まみれになりますが、今度はその汗が気化する際に熱が奪い去られるわけで、そんなところにそよとでも風が吹けば、それはクールで気持ちがいいものでした。

でも百葉箱の中が三十五度を超すようになれば、炎天下は四十度ちかく。ちょっと草むしりにしゃがんだだけで、上からの熱と灼けた土から立ちのぼる輻射熱とで、まるでオーブンの中にいるようなものになります。そんなわけで農作業は夜明けと日没時にかぎられるようになってしまいました。

どちらもちょうどヒグラシの羽音が聞こえる時間帯。青山さんはそれをヒグラシ農法といい、好子さんはそれをもじって、その日暮らし農家などといってますが、冗談でもいってないとこの夏は越せないのかもしれません。

それでも日が暮れて、夜風がいくらか冷たい空気を運んでくるようになると、今年もペルセウス座流星群が見られそうです。とくに今回は十四日が新月に当たっているので、台風の影響を受けなければ鮮明な星空が期待できるでしょう。

昔はお盆前になると、夕飯後は屋根の上にひっくりかえっていたものですが、今それをやったら、いくら日没後でも熱くてひっくりかえってなどいられない。蚊取り線香を用意して草むらに寝転ぶしかありません。立ったまま上ばっかり見ていると、首が痛くなりますからね。流れ星を数えている途中、とろとろとまどろんだりできるのもいいところ。

人が死ぬと星になるというけれど、お盆になるとほんとうに死んだ人が帰って来るんだ、と昔は本気で思っていたものです。流れ星に亡くなった人を重ねるもよし、消えるまでに願い事をするもよし。今年はできるだけ流れ星をたくさん見つけて「安保廃案」を叫びたいもの。ロマンテイスムのかけらもないけれど、世の中がこれだけ殺伐としているんですから、これもしかたがありません。放っておいたら、暢気に夜空など見上げていられなくなりそうですからね。

今週の野菜とレシピ

ところどころ、気まぐれな夕立はあるようですが、このあたりは派手に雷鳴が響き渡るわりにはまとまった雨がありません。そのため、トマトもきゅうりも枝が枯れはじめているそうです。今週いっぱい雨がなかったら、どちらもメニューから消えてしまいかねません。平気な顔をしているのはオクラモロヘイアゴーヤといった熱帯性の野菜ばかりみたいですね。

薬味用のが入りました。ひさびさに刻み葱がたっぷり入った納豆を食して感動。うどんや素麺はミョウガで代用できますが、蕎麦や納豆は葱でないとダメ。ひさびさの香りをお楽しみください。

ゴーヤをもてあましている方がいらっしゃったら、今回は佃煮にしてみてください。ゴーヤは半割にして種とワタを取ったら3ミリ前後の薄切りに・・・。鍋に入れ、ほぼ同量の酒と醤油で煮ます。はじめのうちは水気がすくないように見えますが、そのうちゴーヤから水分が出てきます。落とし蓋をしてゆっくりそれを煮詰めてください。途中、味見をして、お好みで砂糖を足してください。わたしはけっこう多めに黒砂糖を入れています。かき混ぜたとき、鍋底が見えるようになればOK。火を止めて、鰹節をたっぷりまぶしたら完成です。