金魚の食欲

2015年10月第5週

今週の野菜セット

左から

日中は小春日和でも、夕刻の風は冷たく、あたたかいものが恋しい季節になりました。食欲の秋でもあります。犬はご飯を残さなくなり、わたしはご飯をおかわりした上に、家人が残したものまでパクついていたり・・・。でも、雨水受けにいる金魚たちの食欲には遠く及ばないみたいです。

とても金魚とは思えないような大きさになった彼女たち。ほんとうは彼なのかもしれませんが、尻尾が長いからドレスをひきずっているように見えるんです。水の中とはいえ、夏はやっぱり暑いようで食欲が落ちてしまいます。そしてこれから薄氷なんか張るようになると、大瓶の底に沈んでほとんど動かなくなってしまうので、今が食べどきなんですね。寒さ対策にたっぷり脂肪もつけたいところなんでしょう。

とにかく人の足音を聞きつけると、チャポン、チャポンと水面から身を乗り出して餌を催促しますから、毎朝出がけに餌をひと振り、帰宅して今度はイトミミズか赤虫といった動物性蛋白質。日暮れに散歩から帰ってまたひと振りで、犬や猫が覗きこもうものなら、その鼻先も餌にされかねない勢いです。そんな食欲な姫たちがおとなしくなって、水面からチャポンが聞こえなくなると、本格的な寒さの到来。これが聞こえているうちに冬支度をしなくては、と思いつつ、やることが多すぎるのか、さっぱり気乗りのしない今日このごろです。

とはいっても、なにもしないわけには行きませんから、すこしずつ夏野菜の後かたづけ。この夏は近所からバターナッツかぼちゃの種をもらったので、畑の大半がそれに占領されていたのでした。枝豆もプチトマトもかぼちゃの蔓に覆い尽くされ、枯れてしまい、さらにその蔓が道路を横断し隣家の畑にまで侵入する始末。かぼちゃの蔓というのは元気がいいものですが、ここまで勢いがいいのはなかなか見あたりません。

しかもできあがったものといったら、パターナッツとは似て非なる代物で、要するに一代交配の作物から採取した種を蒔いても、おなじものにはならないわけです。整形美人のお母さんから生まれでも、子供は美人になれないのとおなじ道理? うーん、ちょっとちがうかもしれませんが、野菜の直売所などではこの似て非なるものを堂々と売っていたりするので、わたしも事情を説明して野菜セットに入れようか、とも思いましたがやっぱりね、偽物は偽物です。

この一代交配というのは、種苗会社が農家に自家採取させないために作り出した技術なんですね。あこぎな操作がしてあるんです。家庭菜園の延長みたいな感覚で野菜を作っている人の中には、そういうことを知らない人もけっこういるようで、直売所や道の駅ではそういう似て非なる商品が並んでいたりします。ウリのような偽ズッキーニなんでいうのもあります。益子GEFは一応プロ集団ですから、そういうものを商品にするわけには行かないのですが、食べられないことはないので小屋の中に保管して、暮れに冬至用として差し上げる分には問題ないかな、と患い、重たいかぼちゃを毎日数個ずつ、えっちらえっちら運んでいるしだいです。

おそろしい勢いで広がってしまったかぼちゃの茎は、伸びた先でそこから根を生やし、また枝分かれしているような状況ですが、人為的な操作から解放されて自由を植歌した結果がこれかと思うと、あまり文句もいえなくなります。でも、これからは騙されません。

今週の野菜とレシピ

好子さんの大根はいったんお休みになりますが、青菜のほうは充実してきました。ほうれん草はお浸しか胡麻よごし。京菜はサラダがおすすめです。

新生委は香りがよく、やわらかいうちに摺り下ろしてしまいましょう。ジャムにできるよう、量もすこし増やしてもらいました。摺り下ろしたものをそのままラップして冷凍しておいてもいろいろ使えて便利です。

ブロッコリーもキャベツも順調に育っていますので、もうすこしお待ちくださいね。