道路工事

2015年12月第4週

今週の野菜セット

左から

いよいよ今年もこれでおしまい。なんでいっても実感がわかないくらい、この一年も慌ただしく過ぎ去ってしまいました。

慌ただしいという字は心が荒れると書きますが、文字通り心もモラルも寒々しく荒れ果てて、おそろしいような一年でした。集団的自衛権しかり、辺古野問題しかり、この国が主権国であり、民主主義国家であると勘ちがいしていたわたしたちは、ただただ呆れかえるしかなかったのです。その後も追い打ちをかけるように、ぼろぼろとデータの改ざんが露見しましたしね。あたかもこの国が足元から腐りはじめているかのようです。

たった今もびっくりしているところです。子供が誤飲するといけないというので、薬品のパッケージを変えるんですってね。使い捨てライタ}のときにも,思ったのですが、子供が催眠剤を誤飲したり、ライターをいじっているうちに火事になったりするのって、保護者の側にも問題があるんじゃないでしょうか。そういうことを社会問題にまで持ち上げて、その一方で深刻化している子供の貧困問題などは放ったらかし。格差問題ともども自己責任の範疇に留め置かれている感があります。

夕べ、ご飯を食べている最中にこのニュースを聞いて、胃袋がひっくり返るような不快感に見舞われました。偽善の匂いがするからです。それも強烈に・・・。お年寄りだろうが子供だろうが、個人単位ではどんな事故からも災害からもこの国の政府は守るといいます。蒟蒻ゼリーで喉を詰まらせたといえば、企業に製造を止めさせるぐらいです。しかしその一方で、大量死が予想される戦争や原発などは野放しで、反対運動すら好きなようにはやらせてもらえない。自己責任と社会問題が故意に逆転させられているんだから、胃袋だって反転しそうになりますよ、そりゃあ。

こういう逆転現象は地方でも起こっていて、現にわが家の周辺ではほとんど年中、道路工事が行われています。道路を広げて交通事故を防ぐ一方、自転車通学の中高生の安全のために専用道路を新設するという、まことにご親切な心遣いではあるのですが、工事が行われているのは交通量のすくない広々としたところばかり。ほんとうに拡張が必要なのは、この山間の道を抜けて学校や駅のある町中に下りて行く道路で、カーブが多いばかりか、冬季には路面が凍結しやすいうえに交通量も多く、みんなが危ない、危ないといっているのに、そっちのほうはもう何十年も放ったらかしになっています。

結局、やりやすいところでやりやすいことしかしないわけですね。そうやって道路を不必要にいじるたびに、きれいに手入れされた生け垣だの、数百年を経たケヤキだのが切り倒され、景観を無味乾燥にしたあげく、ただでさえ交通量のない道をまるで廃墟のように閑散とさせているのです。で、わたしたちはいっそのこと、益子町を町長のいない町にしよう、なんていってるんですけどね。

今年最後の通信だというのに、ぼやいてばかりいたのでは叱られそうですが、すみません、いいたいことをいってしまってすっきりしないと、気持ちよく新年を迎えられそうもないものですから・・・。もっとも新年を迎えたところで、なにひとつ解決されないどころか、あれやこれや拍車をかけて悪化しかねない問題が控えているんですけどね。ともあれ、この一年もおつきあいくださいましてありがとうございました。

今週の野菜とレシピ

今週も赤かぶが入っていますが、先週までのひかえめな赤みではなく全体に真っ赤っか。用途も前回までが漬物用だったのに対して、こちらはサラダ向きです。スライスしたりんごと相性がよさそうです。

にんじんの登場もうれしいですね。ひさびさのにんじんもサラダがおすすめ。にんじんを野菜ジュースやサラダに入れると、酵素の働きでほかの野菜のピタミンCを破壊してしまいますが、お酢を加えるとその酵素が抑えられます。細かくきざんでから塩もみし、しんなりしたにんじんをさっと水洗い。リンゴ酢と蜂蜜をからめて保存しておくと、いろいろ使えて便利ですよ。

しめじはバターでもオリーブ油でも、お好みの油で炒めて塩・胡椒したところで火を弱め、ざくざく切ったほうれん草を茎のほうから加え、半分ぐらい火が通ったところで火から下ろして醤油少々をまわしかけます。ほうれん草の半生サラダ。火を通しすぎるとおいしくなくなってしまいますから、手早く作ってくださいね。