ベビーラッシュ

2015年4月第3週

今週の野菜セット

左から

氷雨のような菜種梅雨が続いています。先週は雪まで降りましたが、今週はどうなりますか。

桜も開花はしたものの、笑顔を凍りつかせたまま寒空の下、身を寄せ合うかのように並んでいます。そんなわけで小学校の入学式が終わっても、まだ桜は満開のまま。花の見頃は記録的な長さになりそうですが、こう雨ばかり続いていたのでは肝心の花見ができません。うまく行かないものですね。

寒さがもどって来る前には、早くもツバメの低空飛行が見られたのですが、今はどこに身を潜めているものやら・・・。カエルやアリといった、いつでも地下に潜れる者はともかく、それ以外の者たちはいったいどうしているんでしょう。桜のように花盛りのまま、寒さをやり過ごすなんて芸当はできそうにありませんからね。

ちょっと気温が高くなると、戸外ではハエやブヨといった小うるさい虫どもにつきまとわれますが、この連中も寒さがもどって来ると途端にいなくなる。死んだと思ってせいせいしていたら、あんなちいさな虫どもでもしっかり復活してくるんですからね。虫にしてもツバメにしても、どこでどう寒さをしのいでいるのやら・・・。ストーブに薪をくべながら、自分だけがズルをしているような後ろ暗さがふとよぎります。

遠来の客の心配ばかりしていては、地元の鳥たちに恨まれるかな。この時期の野鳥たちはカラスもキジもトンビもコジュケイもみんな、営巣して卵をあたためているところです。冷たい雨の中、濡れそぼった親鳥が翼を開き加減にしながら巣を守っている姿には頭が下がります。

散歩の途中、メスのキジと目が合いました。むこうは腰を浮かせそうになりましたが、犬を繋いでいるリードを持ち上げて見せてやると、また腰を落ち着けますが、顔はしっかりとこちらのほうに向けたまま・・・。枯れススキの藪の中では、オスもまたこちらを凝視していたのかもしれません。キジはびっくりするほど無防備な巣作りをしますが、それも攻撃性の強いオスの存在があればこそ。犬にリードをつけてなかったら、逆に犬が顔面を負傷しかねないぐらい強いんですよ。

山道を歩いていると、突然目の前に野ウサギが出現。脱兎のごとく走り出すことがあります。それもこの時期ですから、ウサギたちもこの時期に子供を産んでいるんでしょうね。最初、とぼけたウサギがふらりと巣穴から出てきて犬に直面。大慌てで逃げ出したのかと思っていましたが、どうもそうではなかったみたい。生まれたばかりの赤ちゃんを囲んで巣穴の中で団らん中、人の足音が聞こえてきます。人だけならそのままやり過ごすところでしょうが、犬の臭いがするからさあたいへん。

この緊急事態に対して一家の主が捨て身の勝負に出たのです。目の前にウサギが跳びだしたら犬は追いますからね。あっちこっち引きずり回して、巣穴から十分離れたところで犬をまいてしまえばこっちのもの。疲労困憊している犬は、当分はウサギなど見たくもないでしょう。実際、ハアハアと息を切らしながら帰ってきた犬は、いつもなら興奮するコジュケイの姿にもちらりと一瞥をくれただけ。すばらしい作戦だと思いました。

自然界はベビーラッシュ。スズメたちの営巣はすこし遅れて、ゴールデンウィークになるころですが、そのころには気温も安定して遅霜の心配もなくなっているといいですね。

今週の野菜とレシピ

かぶは先週より大きくなっていると思いますが、やっぱり生食がおすすめ。先週、味噌マヨでまるかじりした方は、3ミリ前後にスライスして醤油と胡麻油をたらして即席漬けにしてみませんか。茎の部分を混ぜても美味。貴重なミネラル・亜鉛を含む葉っぱも捨てず、おつゆの実にしてくださいね。

牛蒡の栄養分は皮に集中しているので、タワシなどで洗って皮を落としてしまったら、牛蒡の香りのするカスだけを食べていることになります。ですから洗うときは指先でていねいに泥を落とし、ひげ根も一本ずつ鋏かナイフで落としてください。それをささがきにして、ぬるま湯でもどした木耳(きくらげ)も刻んでいっしょに胡麻油で炒め、大匙1杯程度のオイスターソースで調味。粗熱が取れたら、やはり大匙1杯前後のマヨネーズで和えて、3~4センチにカットした京菜に載せ、混ぜながらいただきます。ご飯のおかずになるサラダ。お好みで唐辛子、またはラー油をたらしてどうぞ。

こごみはてんぷら、またはさっと湯がいてから、摺り胡麻+マヨネーズ+味噌少々のソースで和えてみてください。