春のデトックス

2015年4月第2週

今週の野菜セット

左から

先週末の雨。咲き出したばかりの桜はなんとか持ちこたえていますが、満開になっていたところでは早々に散ってしまったのではないでしょうか。風も強く、ところによっては台風並みに吹き荒れたようです。

桜の受難。ただでさえ花見の予定が立ちにくいところへ、今週は寒の戻りとやらで浮かれていられなくなりそうです。せっかく顔を出しかけていた山菜も、慌てて地中に潜ってしまいそうですが、今週のメニューの関係上、こごみだけは出てほしいのですが・・・。そういえば毎年、遅霜に注意しなければならないのもこの時期でした。

とかく春というのは、天候や気温の上下に振り回されやすいもの。野菜や山菜の心配もさることながら、人体もまた、知らず知らずストレスにさらされているはずです。身体をいたわるというと、なにか滋養のありそうなもの、口あたりのよさそうなものを考えがちですが、なにも与えないで胃腸を空っぽにしてやるのが、じつは身体が喜ぶことなのかもしれません。

風邪をひいたときがそうですものね。薬など飲まなくても、水分さえ十分に補給していれば、寝てるだけで治ってしまいます。栄養のあるあたたかいものをいっぱい食べて寝る、というのは食糧事情がわるかった頃の話でしょうから、今の飽食の時代には逆に消化器を休めてやることと、食べ過ぎによる弊害を取り除くことのほうが大事なわけです。

だから季節の変わり目には、プチ断食などもおすすめ。丸一日、水だけで過ごしますが、ぐうたら寝ててはいけませんよ。ふだん通りの生活をして、お腹がギュルギュル鳴るのを楽しみながら過ごしてください。どうしても空腹に耐えられなかったら、りんご半分とか、生野菜をすこし囓るぐらいなら許されるかも。翌朝は薄めの重湯、昼にもうすこし濃い重湯、夜、茶碗いっぱいのお粥と梅干しで済ませ、翌日からふつうの食事にもどります。

季節の変わり目といわず、毎週これをやっている人たちもいるみたいで、名前は忘れましたけどヨーロッパで流行っているダイエットなのだとか。五日間はふつうに食事をして、残り二日を男性なら六百キロカロリー以下、女性なら五百キロカロリー以下で過ごすのですが、上記のプチ断食とちがう点は、この二日を連続させないこと。デトックス、ダイエット、アンチエイジング、目的はさまざまですが、日本人は上記の日本式のほうがすんなり行きそうな気がします。

二日も断食なんかやってらんねえよ、という向きには朝食抜きがおすすめ。朝食を抜くと、子供なら勉強に身が入らない、大人でも午前中の仕事が散漫になるなんていわれてますが、実際にやってみるとそんなことはありません。反対に朝食を抜いただけで、血圧や血糖値が下がって調子がよくなったというほうが多いんですね。

近所に住む男性は朝食をフルーツのみにしただけで、半年もしないうちに血圧と尿酸値が正常値になったといいますし、いちばんいい例が農家の青山さん。彼は成人して以来、何十年も食事は夕食のみで過ごして来ましたが、小柄にもかかわらず力はだれよりも強く、持久力も並外れています。食事に誘っても断られるのはもちろん、これおいしいからひと口どう?といってもダメ。お腹にものが入ると力が入らない、仕事にならないんだそうです。

健康食ブームってなんだろう。アンチエイジングにはこのサプリ、デトックスにはこれ、膝の傷みにはこれが一番なんて、あれやこれやプラスしないと健康が維持できないなんておかしくない?あの手この手でシニアの不安を煽りながら、高価なサプリメントを売りつけるケースもすくなくありません。そんなお金のかかることはやめて、あたりまえのように食べていたものをちょっとだけ減らしてみたらどうでしょう。「健康食」から「食」を取ったら、残るのは健康ですからね。

今週の野菜とレシピ

好子さんの小かぶ。二十日大根のように丸かじりしてみませんか。ちょっと大きいと思ったら半割にして、味噌とマヨネーズ半々のソースでどうぞ。葉っぱのほうはおつゆの実にしてくださいね。

春先の里芋は湯がいてから皮を剥き、木の芽味噌をのせて田楽にして楽しみます。が、山椒の芽など、このあたりではまだまだなので、上記の味噌マヨソースで和えてから粉山椒をふりかけたりしています。大量に食べられるものではありませんので、残りは味噌汁などでどうぞ。

今週の目玉はこごみです。てんぷらがおすすめですが、さっと湯がいておひたしか胡麻和えでも・・・。但し、気温の上下がはげしいので安定した収穫はむずかしいかもしれません。間に合わなかった分は代品で補わせていただきますので、すみません、来週にご期待ください。