稲刈りの季節

2015年9月第4週

今週の野菜セット

左から

さわやかな秋晴れがもどってきました。田圃では、慌ただしく稲刈りがはじまっています。これが終わってしまわないことには、農家はどうにも落ち着かない。一年の締めくくりみたいなもんでしょうからね。

稲を刈るコンパインのまわりをアキアカネが飛びまわっています。今年はどういうわけかトンボが大発生しています。例年になく大きな群れになっていたシオカラトンボも、これまた絶滅危惧種に準ずる存在だったはずが、いたるところで見られたオニヤンマもいつの間にかいなくなって、今はアキアカネの天下です。空中に群れるかぼそい赤と、道路縁の彼岸花の燃えるような赤。それに負けじと、柿の実も色づいてきました。

あーあ、山里の景色はこんなにも穏やかでうつくしいのにね。この国の首都で起こっていることといったら・・・。日本人、やめたくなります。

恥も外聞もなく安保法案が参院を通過しましたが、この法案が成立すると、どさくさに紛れてデモや集会を規制する法律もスルーしてしまうって、知ってました? わたにしもデモ仲間から聞いただけで、確認はしていないのですが、そうなったらやがて言論も統制されるようになるのは確実です。今はまだ遠慮がちというか、目立たないようにやってますけど・・・。

それにしても悲しいのは、国会議員になった人たちの思考能力のなさ。参院にかぎったこさではありませんが、ハンナ・アレントのいう、考えることをやめてしまった人たちの凡庸さが討論の場をすかしっ屈の立ちこめるよ炬燵の中みたいに、なまぬるく、鼻持ちならないものに衰えてしまったわけですね。問題は毒にも薬にもならない凡庸なかれらの臭気が、最終的には国民の大部分が引きずりこまれることになるガス室の毒となることです。

どさくさ紛れにすかしっ屈をする男たちは、それがわかっているんでしょうか。ぼんやりとわかってはいても、目前で事が起こらないことにはちゃんと理解できないのかもね。そのころには俺、引退しちゃってるだろうな、なんでいっちゃって・・・。殺すぞ、馬鹿。

いや、殺さないまでも、しっかりと一人ひとり名前を記憶して、今期かぎりで引退させてしまいましょう。団体票で大方の趨勢が決まってしまう、民主主義とは名ばかりのでたらめ選挙も、そろそろ変えていかねばなりません。ひとりひとりが考える人間になって行動しないと、ほんとにとりかえしのつかないことになりますからね。ほんとうの闘いはこれからです。

新聞からも、テレビの画面からも立ちのぼってくる悪臭を振り切るには、どこか空気のいいところで羽根をのばすのがいちばんかも。この連休、シルバーウィークというそうですが、浅はかな首相は今回の採決も、国民は連休騒ぎですぐに忘れてしまうとでも思ってるのかな。衆院採決のとき、おバカな連休発現で国会周辺が炎上したことも、すっかり忘れてるのかも・・・。おめでたいです。

わたしたちもね、連休の間中ぐらいは忘れてあげてもいいかもね。でもね、おまえさんを蹴落とすまではぜったい忘れませんからね。なめとったらアカンのです。空気のいいところにいても、景色のいいところに来ても、ふつふつと湧きあがってくるものが押さえきれれない、というのも困ったものですけどね。

今週の野菜とレシピ

今週も枝豆が入りますが、かなり実が入ってきているはずです。つまり、もう若くはないということ。メニューから外すことも考えましたが、味そのものはわるくないし、青山さんも畑に残してもしかたがないのでサービスで・・・といってくれました。長めに茹でて、冷めるまでそのままにして、よく噛んでお召しあがりください。

間引き大根は葉の部分も大根も湯がいてから細かく刻み、水気をよく切ってからちりめんじゃこといっしょに炒めてください。醤油で味をつけますが、ちりめんじゃこの塩分を計算に入れてくださいね。お好みで七味唐辛子もふって、煎り胡麻をたっぷり加えて完成です。

舞茸は石づきの汚れたところを除けば、ほとんど捨てるところがありません。細かく裂いてザルに広げたら、半日ほど日陰で風に当てます。そうすると味と香りが濃厚になりますから、それを油炒めして醤油で濃いめに調味。炊きたてご飯に煎り胡麻といっしょに混ぜてください。1パックの舞茸に、米は一合半から2合ぐらいでしょうか。先週食べたホウキタケご飯に勝るとも劣らぬ逸品。間引き白菜のお吸い物といっしょにどうぞ。

今週末27日は中秋の名月です。里芋は大きいのも小さいのも皮ごと茹でて、お月さまにお供えしてから、塩か醤油で食べてみてください。こういう素朴な食べ方もたまにはいいもんですよ。